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『1ドル=80円に近づくと、介入警戒感で円高に歯止め(2)』 ―上野泰也 氏

2012年04月23日(月)

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<<『1ドル=80円に近づくと、介入警戒感で円高に歯止め(1)』へ

― 中長期的な日本経済の見通しについてはいかがでしょうか。

中長期的には、日本経済に対して悲観的に考えざるを得ません。(野田内閣が閣議決定した)消費税法案については、個人的な見解ですが、最終的には国会で成立するのではないかと思います。

ただしその場合でも、政界再編は避けては通れないでしょう。そうなると、衆院解散・総選挙の結果次第で増税や財政再建のピクチャーが変わってしまうでしょうから、債券市場は政治の問題で振り回される状況が続くと思います。財政を材料にした長期金利の上下動が国会会期末(6月21日)の近づく頃から、起こるのではないかと予想しています。しかし国債のマーケットは国内投資家のプレゼンスが圧倒的に大きなマーケットですから、当面の長期金利は1〜1.2%前後で低位推移すると予想されます。

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ただし、これは短期的な楽観論です。長い目で見ると、5〜10年以内に日本の国債消化構造が外国人の比率が上昇する形で変化すると考えています。つまり、将来は家計のマネーでは国債の増発を支えきれなくなり、外国人の存在感・影響力が大きくなります。そうなると、ファンダメンタルズに基づく金利水準に上乗せされるような形で、悪い意味で金利が高くなっていく時代が来ます。金利水準全体が上がるわけですから、企業にとってもネガティブな要因になります。

究極的には、日本の財政再建をどうやって建て直していくのかという問題ですが、現状では増税ぐらいしか手段がありません。しかしながら、増税を強行すると経済が弱ってしまいます。早い段階で社会保障費など歳出を抜本的に抑制しながら、可能な限り「最小限の増税」を実施していくというスタンスが必要ではないかと思います。

― 加速する少子高齢化にはどう対処すべきなのでしょうか。

将来的には名目GDPは縮まる方向に進み、日本のプレゼンスが低下していくと思います。生産年齢人口が減少し、地方がスカスカの状況になり、都市部は人口が多くても高齢化で社会保障負担が増加していくから大変です。外国人に移住してもらう政策のほか、「もはや手遅れ」とあきらめずに少子化対策に真剣に取り組んで子供を増やすなど、今からでも人口面からサポートをしていかなければ、悪いスパイラルに陥り、大変な事態になります。

経済が縮んでいるのに租税負担だけが増えるという状況になると、人も企業も日本から逃げ出してしまいます。そして、残った人が「ワリを食う」というような世界が見えてきてしまいます。人口問題について正面から議論せず、成長戦略のみを議論していてはいけません。

― 長い目で見た場合、円相場の方向性はどうなるでしょうか。

円安だと思います。この国の中長期的な見通しがあまりにも厳しく、とりわけ財政の悪化が通貨に対して相当に大きなインパクトを与えます。

「ギリシャやポルトガルの財政が悪くても、ユーロはあまり売られていないではないか」という声がありますが、ユーロ圏は各国の融合体です。一部の国の状況が非常に厳しくても、全体的にはそれが薄まりますから、ユーロの下落には一定の歯止めが掛かるのです。

しかしながら、日本の財政問題は円に対して、ダイレクトに影響を及ぼしてくるわけです。日本のマネーが海外に流出したり、外国人が日本からマネーを引き揚げたり、あるいは投機的に売り浴びせたり…。こうした状況になれば、円には下落するリスクが高まり、「悪い円安」になってしまいます。その時点で日本の有力企業の多くは海外に移転しているでしょうから、単に輸入物価が上がるということになります。

これは債券売りと絡んで起こるでしょうから、日本国債を大量保有している銀行株を中心に、株価は下がります。円安・株安・債券安の「トリプル安」になってしまい、輸出企業にとって都合が良い意味での「円安」には、決してならないのです。(了)

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