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日銀が2012年2月14日に追加金融緩和と「物価安定のめど」導入を発表すると、外為ディーラーは「思いがけない日銀からのバレンタインデーギフト」と受け止め、円安相場に転換。これを好感した株式市場でも、日経平均株価が1万円の大台を回復した。しかしその後、日銀が更なる緩和を見送ったことなどから、マーケットは「義理チョコだったのか…」と言わんばかりの失望感を示し、円相場は反転して平均株価も9、500円前後まで下落している。市場の先行き不透明感が強まる中、みずほ証券チーフマーケットエコノミストの上野泰也氏に日本経済全般や円相場の動向について見解をお聞きした。

― 足元の日本経済についてはどう分析をしていますか。

2012年2月14日の日銀による「サプライズ緩和」が為替市場に「日銀が一段と大量の資金供給に動くのではないか」という期待感を植えつけ、円安を経由して株式市場にも影響が及んだため、株高・円安の局面がしばらく続きました。同時に、米国経済に対する楽観論が強まり、欧州では欧州中央銀行(ECB)による3年物LTRO(無制限の資金供給オペレーション)が奏功してイタリア、スペインなどユーロ圏周縁国の国債利回りが下がりました。


ただし、冷静に考えると、諸問題の本質は2月14日に比べてあまり変わっていません。例えば、「日銀が10兆円追加緩和しただけで、日本経済はデフレ脱却に向かう」という立論そのものが根本的に間違っています。日銀が残存期間1〜2年の長期国債を年末までに10兆円買い増すといっても、今の長期金利が短いところでほんの少し下がるに過ぎません。その金利低下による実体経済への効果はほとんどないでしょう。

ドル/円相場という二国間の通貨交換比率についても、日本の材料だけで円安方向に大きく動くとは考えられません。当然、米国側の材料も効いてくるわけです。そこで米国が利上げに踏み切るかというと、バブル崩壊の傷がまだ深いため時期尚早であるとバーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長はクギを刺してきました。その上、米景気指標も3月の雇用統計で予想以上に早く軟化というか、勢いが弱まり始めました。これにより、米国経済の見通しが少し変わってきたのではないかと思います。

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欧州についても、思いのほかスペインの財政赤字目標の緩和が市場の動揺を招いています。それに加えて、欧州連合(EU)が“防火壁”を高くする努力に関して最後に手を抜いてしまいました。8,000億ユーロと喧伝されていますが、実際に使えるのは5,000億ユーロぐらいです。一方、マーケットはイタリアやスペインを本格的に救済するには2兆ユーロ必要だと見ていますから、明らかに金額が不足しています。

EUが1兆ユーロを出すなら、国際通貨基金(IMF)も同程度を拠出してくるでしょう。ところが、EUは1兆ユーロにも届かず、水膨れベースでも8,000億ユーロに留めてしまいました。ですから、IMFに関与している一部の国は、欧州の努力が足りないと考え、資金の積み増しには慎重になってしまいました。そうすると、市場はスペインやイタリアを救済する余力がないと判断します。最後に手を抜いたために、EUは再び火の手が強まるきっかけをつくってしまったのです。すなわち、日本経済を取り巻く外部要因のうち、米国と欧州に関連する2つが、ある程度悪い方向に動いてしまいました。このことが主因となり、株価の大幅調整や円高への反転が生じたと見ています。

―ドル/円相場は円高の余地を試す展開になるのでしょうか。

そうなるでしょうが、今回は1ドル=80円前後で円高には歯止めが掛かると思います。なぜなら、80円割れは日本の通貨当局が景気への影響を懸念する水準であり、市場介入の可能性をチラつかせてくると予想されるからです。

もう一つはテクニカルな話になりますが、76円03銭〜84円19銭という直近のボトムからピークの半値押しのところが80円前後になります。市場関係者は皆これを意識していますから、80円に近付くと介入警戒感と相まって、ドル買いが入りやすくなります。ですから、このままガタガタといくというよりは、80円〜85円程度で当面動いていくと思います。

― 東日本大震災後、日本の貿易赤字は膨らみ、経常収支も2012年1月は赤字を記録しました。今後、どのように推移していくと予想されますか。

経常収支については、黒字基調は変わらずに推移していくと思います。そもそも1月は元々貿易赤字が出やすく、所得収支の黒字が少ない月なのです。過去のデータを見ても時々赤字になっており、1月はイレギュラーな月と考えてよいでしょう。

(経常収支のうち)所得収支については黒字が増えています。貿易収支も赤字と黒字がせめぎ合いの状態です。原発稼働停止の拡大で発電用燃料の輸入が増えていますので、一進一退がしばらく続きますが、今秋ごろからようやく貿易黒字が定着すると考えています。ですから、経常収支の黒字自体は続いていくと思われ、このことはロジック的には円高材料になります。

>>この続き『1ドル=80円に近づくと、介入警戒感で円高に歯止め(2)』へ

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