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『日米欧が直面した「ギャップ」の時代 (2)』 ―前原康宏 氏

2012年03月29日(木)

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<<『日米欧が直面した「ギャップ」の時代(1)』へ

― 日本では、政治家も企業も思考の時間軸がどんどん短くなってきているのでしょうか。

どうでしょうか…。最近は、むしろ昔から長期的な時間軸での方策はなかったのではと考えることがあります。長い間トレンドが上向きだった「右肩上がりの時代」に、短い上向きの方策を立てていたから、たまたまトレンドが合致して時間軸の長い方策のように錯覚していた可能性はないのでしょうか。

様々な分野で現在は、長期的なトレンドと短期的なトレンドが一致しなくなっています。所得格差や世代間格差、現世代と将来世代の格差…。そうしたギャップを埋めない限り、皆が満足して将来に希望を持てるような経済の見通しはなかなか出てこないと思います。
そのためには旧来のやり方を変える必要があります。ですが、やり方を変えるには危機感が足りません。例えば製造業でも、世界のマーケットに対して生産方式や市場開拓で日本のやり方が通用するような展開は考えづらい状況なのです。

最も気掛かりな問題は、東日本大震災後の原発の事故処理に象徴的に表れているように思います。情報をタイムリーに開示しなくても昔なら通じたかもしれませんが、今の時代では通用しません。

さらに、問題解決に向けた具体的な方針や見通しが1年たった今でも、残念ながら明確に示されていません。このことは、物事を変えていくために色々な発想の転換や見直しを迫られている日本にとって、非常に悲観的な側面ではないかと思います。政府が行っていることやそれを受けてメディアが報じていることに対し、国民が十分な信頼を置かないようになってきています。

信頼感を欠いていては、こうした長期的なトレンドと短期的なトレンドのギャップは埋まりません。信頼感がなければ、ギャップを埋めるためのメカニズムが働かない状況になってしまいます。そういう状況を見かねた企業が、海外に進出するという行動を加速させている側面もあるのではないでしょうか。

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― ギリシャ国債の債務交換が決着し、欧州はひとまず危機を脱したと見てよいでしょうか。

欧州はマネタリー・ユニオン(通貨統合)を実現していても、フィスカル・ユニオン(財政統合)には至っていないので、必然的に現在のような問題が起こってしまいます。

今は、麻酔を打ちながら体質を変えていこうとしているようですが、根本的な解決となるのは難しいでしょう。なぜなら同じ欧州域内でも国によって生活の仕方や物の考え方などが異なり、そのギャップが大きいためにユナイテッド・ヨーロッパ(統一欧州)にならない限り、問題は解決しないからです。

たまたまユーロ発足後、景気が良かったから、ギャップについてある種の納得感がありましたけれども、景気が後退している今の状態ではコンセンサスを得るのは至難の業になります。

― 米国経済についてはどのように見ていますか。

米国でもウォール街の座り込みデモに象徴的なように、富める者と富まざる者の間のギャップ拡大に対する意識が高まってきています。しかしながらこの問題に対しても、具体的な解決策は提示されていません。

産業については、米国の方がシステムの多様性において日本よりも大きいと思います。国の成り立ちからしても、映画の「ロッキー」が端的な例なのですが、敗者に対して米国は這い上がるチャンスを与えます。国としてそういう渋とさがあり、それが強みだと思います。

また、米国には産業の幅があります。一方、日本の場合は非製造業にあまり競争力のない状況が続いています。先進国はどんどんサービス産業化していますが、日本はその分野では弱いと言われています。もちろん、医療や環境などのテクノロジー分野で日本には強さがありますが、それをいかにしてサービス化していくのかが大切なのです。

例えば、ウォータービジネスでもコアのテクノロジー部分について日本はものすごく進んでいるのですが、それをサービス化して消費者まで届けるビジネスが非常に弱いのです。テクノロジーは持っているのに、サービス化ができない。このため、利益になるビジネスを欧米企業に奪われているのです。

― 最後に、今後の円相場の見通しについてお伺いしたいのですが。

ファンダメンタルな部分とノンファンダメンタル部分に分けて考えてみると、割合的にはノンファンダメンタルな部分が大きくなり、説明がなかなか付かないような動きをすることが多くなると予想されます。

ファンダメンタルな部分でいえば、今後も日本の産業構造がさほど大きく転換しないとすると、次第に競争力が落ちていきます。このため、将来は貿易赤字の方向に向いていきます。ですが、対外的には巨額の債権を保有しており、一定の所得収支を見込めますので、経常収支までもがすぐに赤字になることはないと思います。

ドル・円相場については、向こう5年程度の期間で考えると、それほど円高にも円安にも振れず、70〜100円程のレンジでノンファンダメンタル部分な影響を受けながら推移していくのではないでしょうか。

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