外国為替取引ニュースサイト FOREX PRESS

会社概要

お問い合せ

ニュース受付

HOME > 為替コラム

先月

2012/2

1234567891011121314151617181920212223242526272829

来月

FXインサイト

『新興国と争うな、米欧の土俵で勝負せよ!(1)』 ―松谷明彦 氏

2012年02月21日(火)

画像(635x160)

国立社会保障・人口問題研究所はこのほど2010〜2060年の日本の将来推計人口を公表した。それによると、総人口は50年間に3割強も減り、とりわけ生産年齢人口(15〜64歳)が3、755万人も減少するため、日本人の生活や企業活動に甚大な影響を及ぼすのは必至。こうした中で、金融・証券市場はどのように変化していくのか。人口減少問題の第一人者である政策研究大学院大学の松谷明彦名誉教授にインタビューを行い、ご見解を尋ねた。

― 人口減少が日本国内の金融市場に及ぼす影響について、ご見解をお聴きしたいのですが。

まず、確実に起こることと、起こる可能性が高いことの2つに分けてお話ししたいと思います。
確実に起こるのは、貯蓄率が落ちるということです。例えば、5人世帯を例にとってみましょう。これまでは5人中3人が働いていましたが、高齢化が進んで働き手が3人から2人に少なくなると、1家族当たりの貯蓄率は低下します。これが日本の国全体の問題として起こるわけです。高い貯蓄率を背景に金融資産が非常に大きく膨らんできましたが、貯蓄率の低下で金融市場の基盤は様変わりするでしょう。

様々なデータを集めて推計してみると、国民所得に対する貯蓄率は2000年時点で12〜13%ありましたが、2030年には3.9%程度という非常に低い水準になるだろうと考えています。海外からお金が集まってこない限り、日本の金融市場はかなり小さくなってしまうでしょう。

次に、起こる可能性が高いことですが、労働力の減少によりGDP(国内総生産)がマイナス基調になるのではないかと思います。これには、技術進歩との“綱引き”という要因があります。つまり、労働力人口の減少スピードと労働生産性の向上スピードとのどちらが速いかということです。

今回の人口推計によると、生産年齢人口(15歳〜64歳)がこれから50年の間に3,755万人、率にして45.9%も減少します。生産年齢人口がほぼ半減するからといって、労働者も半減するとは言えません。しかし中長期的に見れば、生産年齢人口と労働者の数は似通った数字になりますから、50年かけて労働者の数が半減するということになります。

ということは、技術進歩が2倍程度になっていなければ、経済の規模は縮小してしまいます。技術進歩が伸び悩んでいる現状からすると、将来的にはGDPはマイナス基調になるのではないでしょうか。GDPが縮小していけば、日本全体の金融資産の増加率も下がると予想されます。「貯蓄率の低下」と「GDPのマイナス転化」という2つの要因から、日本の金融市場は縮小するのではないかと考えています。

― 人口減少は企業経営に重大な影響を及ぼし、株式市場にも影を落とし始めますか。

人口減少以前の問題として、1990年代初頭以降、日本企業の収益率が大きく低下していることを大変危惧しています。売上高に対する営業利益の比率で説明しますと、1990〜2009年の間に日本は他の先進国に比べて惨憺たる数字を示しています。バブル崩壊で低下したということではなく、1970年から右肩下がりであり、トレンドとして下がり続けているのです。

画像(440x287)

先進諸国の売上高に対する営業利益の比率推移

これに対し、米国や欧州ではトレンドとして逆に上昇しています。先進国の中では、日本の企業収益率だけが落ちているわけです。このことは、今後の金融市場を考える上で非常に重要な要因になります。金利水準は、一つには企業収益率によって決まりますから、収益率が下がれば日本の金融市場の魅力がそれだけ低下することになります。このままでは、日本の金融市場もジリ貧になっていく恐れがあるのではないでしょうか。(続く)

>>この続き『新興国と争うな、米欧の“土俵”で勝負せよ!(2)』へ

画像(635x145)

画像(635x100)



Posted by 大阪証券取引所

プロフィール

大阪証券取引所

コラム・インタビュー・レポート / 大阪証券取引所

大証FXサイトとの連動コンテンツ。アナリストによるマーケットレポートから、著名人インタビューまで。

検索

最近の記事

RSS1.0 [Login] powered by a-blog

当サイトは為替証拠金取引を中心とした外国為替の取引に関するニュースのみに特化しています。乱立する為替取引・サービス情報を一同に介し、わかり易くジャンル分けすることで投資家・投機家が欲しい情報を即座に入手できるようにと思ったのが立ち上げの主旨です。またこのホームページに掲載している内容が正確であるよう最善を尽くしておりますが、内容についての一切の責任を負うものではありません。その旨ご了承願います。

FOREX PRESS

キャピタル・エフ株式会社

2002/11/15より運営開始