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多極化する金融世界

FX業界の現状と、その課題と対策を考えてみた

2011年04月25日(月)

 最近になって、FXにおける仕事(正確にはコンサルタントの相談だが)が増えてきた。とりわけ、カバー収益のチューニングとか新サービス(何かネタはないの?的なレベルだが)といったことだが、これを機会に整理した内容を書いていこうと思う。あくまでも個人的な見解なので、その辺は予め前置きしておく。

■おさらい

 昨年の8月にレバレッジ規制が施行された。取引高の減少があったのは言うまでもない。平均的なところで3割減。多いところでは7〜9割減となった。その後はスプレッド競争がさらに激化し、ドル円のスプレッドも1〜2銭から0.8銭前後が当たり前になってきた。ドル円だけではなく、他の通貨ペアのスプレッド競争も激化し、取引会社の収益性が悪化したのは言うまでもない。結果的にレバレッジ規制後、しばらくは取引高が減少したものの、こうした競争により、規制前と比べて取引高は増加している。その反面、取引会社の収益性は悪化し、収益性の改善やコスト削減が迫られているのが現状となっている。

■浮き彫りになった課題と次の課題

 以前のコラムにも書いているが、結局はスプレッドを縮小することによる流動性の低下・収益性の悪化をいかに改善していくかが課題となっている。個人的な見解ではあるが、取引高トップ10のうち、数社は既にクリアできていると思う。彼らはもともと低スプレッドで収益を上げることに着目していたので、自ずとそうした結果につながったのだろう。ただ、それは収益性の悪化をある程度抑えたに過ぎないので、取引高を増やす(正確にはユーザー数を増やす)ことに注力しないといけない。つまり、流動性の低下・収益性の悪化はある程度クリアできたものの、“更なる取引高の増加”という課題が新たに出てきたことになる。

画像(180x134)

【課題】レバレッジ規制による取引高の減少(収益の減少)
【対策】スプレッドの縮小(収益の減少)
【結果】取引高の増加(カバー収益の悪化)
 ↓
【課題】カバー収益の改善
【対策】カバーモデルの見直し
【結果】カバー収益の改善(収益は規制前には戻らず)
 ↓
【課題】更なる取引高の増加(更なるユーザーの獲得)
【対策】???
【結果】???

簡単にまとめると上記のような感じになると思う。()内は補足である。
取引会社の多くはカバー収益の改善という課題に直面していると思われる。先ほどのトップ10の数社は次の課題に取り組んでいる可能性が高い。

■更なるレバレッジ規制とその対策

 今年の8月にまたレバレッジ規制がある。今度は50倍から25倍。単純に考えれば取引高は半分になるが、実際はそんなに変わらないと思う。変わらないと言っても、それなりに影響(全体の取引高1〜2割程度の減少?)はあるだろうし、その対策(収益の確保)は各取引会社で行われていくのだと思う。こうした対策は以前のコラムでも言及したが、それが収益の改善を図るものなのか、更なるユーザーの獲得として図るものなのかで同じ対策であっても取り組み方が異なってくるので非常に興味深いところではある。

▼システムトレード
店頭FX、取引所FXに関わらず、システムトレードのサービスを開始するところが出てきた。システムトレードというのは一見聞こえは良いものの、導入にはかなりの時間とコストを要する。その割には収益性が乏しいという問題(そもそもシステムトレードを行うユーザーが少ない)がある。そういった専門的な手間隙を省くサービスも一部にはあるが、今後は“選ぶだけ”的なものが流行っていくのだろう。そういう意味ではスプレッドがワイドになりがちなこの分野でも同様の競争は起きると思われる。やるなら早い者勝ち。そんな感じがする。

▼バイナリーオプション
レバレッジ規制の影響を受けないサービスとして、それなりの検討はあったと聞く。しかし、日本では(海外と比べて)オプションの理解は乏しく、収益に結びついているかどうかはかなり微妙なところではある。大阪証券取引所で言う日経225オプションのように仕様が定まっておらず、各社によっては異なっている、という面も普及しない理由となっているのも事実だろう。また、海外と違って、日本ではこうしたサービスを行ううえでの規制(むしろ監督官庁の目)が厳しいので、収益にはなかなか結びつかない。

▼他商品への参入。くりっく株365とか
FXで減った分の収益を他で何とかしようと。そういった動きではあるが、それも取引所FXやくりっく株365の取扱いでの動きに限定しているように見える。前者で成功しているのはGMOクリック証券だけのようだし、後者においては市場の取引高がまだまだ(平均5,000枚程度/日)なのでビジネスとしては不透明である。証券取引の分野への参入はハードルが高いので敬遠されているのが現状だったりする。そういう意味でも他商品への参入という対策は限定的と見るのが正解だろう。

▼宣伝広告費の抑制。コスト削減とか
昨年のレバレッジ規制後も各取引会社は宣伝広告費に悩んでいる。特に成果報酬型(アフィリエイト)だが、その費用は一向に下がる気配がないらしい。こうした状況で泣く泣く高い広告費を支払っていくところもあれば、そんなに広告費を支払わずに済む証券口座を介してFXに誘導する取引会社も出てきた。また、業務の効率化を推進してコスト削減に取り組んでいる取引会社もある。かなり地道な作業にはなるが、そうした努力は意外に行われていない。互いの当事者(担当者とも言う)が拒否るから・・・。

■ユーザーとして望むこと

 こうした状況下でユーザーが望むことは“安定性”と“信頼性”と“継続性”である。どれも“サービス”に関連することができる言葉だが、それは“会社”としてでも同じことである。それを中長期的に捉え、対策を講じていく取引会社が逆境のなかでも伸びていくと思う。これがなかなか難しい。何故なら中にいればいるほど、そういったことに疎くなるからだ。




Posted by 葛木茂樹

プロフィール

葛木茂樹

エヴァンジェリスト&コメンテーター / 葛木茂樹

かつては証券会社や情報ベンダーに勤務していたことがあった。それらで培ったノウハウを活かし、フリーのコメンテーターとして日々を過ごしてきたが、現在では某社のエヴァンジェリスト(伝道師)として職務に励んでいるようだ。前職のこともあり、当然ながら金融業界には強い。

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