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システムトレードの価値

2011年02月07日(月)

 今回は、業界だけでなく一般の投資家の方がたにも読んでいただけそうなテーマである。レバ規制がだんだんときつくなるにつれて業界ではシステム売買のサービスに力を入れ始めている。これは、つまるところお客さんが儲からなければ業者も立ちいかないわけで、レバ規制の影響を吸収しながら取引の活性化とそのための勝率の向上を図るには、プロによる売買シグナルの提供が一番効果的ではないかという仮説に基づいた業界のチャレンジである。これは日本に限らない。勝手な印象だが、世界的にこの手のサービスは黎明期から脱して来年あたりは成熟期を迎えようとしているのではないだろうかとすら思う。専門ポータルサイトもじゃんじゃん出てきた。

さて、「システムトレード」、「売買シグナル」、「EA」(MT4)、「自動売買」などいろんな言葉で呼ばれるがその中身はすこしずつ違う。今日は、そのおさらいである。

運用

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 まずは、全部お任せスタイル。顧客は並べられたシグナルから好きなものを選ぶだけであとは自動的に取引をしてくれる。自分のPCをオンにする必要もない。一方、選んだシグナルを自分のPCに取り込んで実行する場合は、自分のPCがオフになるとシグナルも停止する。PCにある程度投資できる人でメンテができる人でないと24時間稼働は難しい。もしくは選ぶシグナルが、超短期で動くもので、夜の8時から12まで動かすだけでパフォーマンスを出してくれるものでないと、昼間いないサラリーマンには向かない。あと、シグナルを毎日メールで教えてくれてそれをやるかやらないかはあなた次第というサービスもあるが、これは厳密には売買シグナルではなく、有料であれば投資助言行為であり、ここでのテーマ外である。

サービス料金

 ひとつは、プログラムもしくはサービス購入時点で一括課金タイプ。これは結構高額に見える。何万円から何十万円にも上る。その初期投資を上回るだけの結果が期待できるものをよくよく選び抜かねばならない。また、プログラムを開発する業者にこのお金は行くだろうが、その後の取引ごとには取引の手数料(マークアップ)がその実行する業者には落ちていくことも、避けられない当然のコストとして知っておくべきである。

もうひとつは、取引ごとのみに課金するタイプ。これはさらに、別途手数料で徴収するタイプと、プライスにオンするタイプに分かれる。これらは見た目のコスト感は和らぐが、取引ごとにのっかっているので、結果的なパフォーマンスを見た目悪くするように見えるはずであ。前者だと最初に払った費用を超えるまではマイナスからスタートしているというプレッシャーがある。これは結構きついものである。後者の場合、そのコストが取引ごとに平準化されるので、負担感は低い。長期的に付き合い、うまく立ち上がって利益を出し続けるなら前者がいいが、1年未満でやめるなら後者のほうが離脱しやすい。一概にどちらがいいかとは言えないものである。

成績

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 さて、スタイルはどうあれ客にとって一番大事なのは、そのシグナルが儲かるかどうかである。ここからは個人的な意見としてだが、普通の個人が自分の判断で行っている為替の取引によって儲かる人の割合は多分10%程度ではないかと思う。米国はこの口座の勝率の開示義務を業者に課したのでその数字は見えるとは言っても、その中身にはからくりがいろいろあるので鵜呑みにはしない。いろいろな数字を見ての私の大雑把な判断である。一方、シグナルを利用する人たちで勝つ人の割合は15%〜20%ではないかと思う。海外の業者で30%だというところもあるが、渋く見て、10%対15%である。つまり、自分で勝手にやっているよりも、シグナルを利用して売買をする方が全体的には勝つ確率が上がるということだけは言えると私は思っている。

あと、その判断期間であるが、一般の人はシグナルを利用するときどれくらいの期間で結果を出してほしいと思うだろうか。毎月パフォーマンスを載せているシグナルもあるので、毎月締めてみて(時価評価か実現損益ベースか)、3%もうかったり2%損したりという過去の実績からそれぐらいの揺れならいいだろうと買ってみたら、最初から8%ダウンで始まると、その後何カ月そのシグナルに付き合っていけるだろうか。シグナルのタイプにもよるが、とりあえずは3カ月、買ったシグナルに付き合ってみないと、たまたまアンラッキーをつかんだ時に損しっぱなしで退場ということになりやすいのではないかと思う。理想的には、ある程度うまくいっていて、そのシグナルを運用し続けることによる精神的なストレスに耐えられるなら1年以上は付き合わないとシグナルを買って運用するという戦略の真価は問えないと思う。ただし超短期の運用を前提としたシグナルは別である。

システム売買の良さ

 シグナルとてファンドと同じようなものである。そう見ればファンドよりもはるかにコストが安く、透明で、与信リスクがない。突然元本が消えてなくなったという事件も起こらないし、不透明な会計処理に疑心暗鬼になることもない。成績の報告が月に1回しか来ないとやきもきすることもない。やっていることがある程度手元で見えるのはいいし、いやならすぐ止められるし解約できるのがとてもいい。

購入するときの注意点

▼思い込みの排除
シグナルを選べばかならず儲かるとは思ってはいけない。あなたがプロでないなら、勝率は20%程度だと思って臨み、自分でやったらそれは10%だと考える。ここで言う勝率とは、同じようなことをしている10人中何人が勝つかという意味である。

1カ月で元手を倍になどと・・
そういう幻想は決して抱かない。毎月、2%程度の利益をこつこつためて年間で15%以上になるシグナルがあればそれはすこぶる立派なものである。あとはそれにレバレッジをどれだけかけるかのあなた自身の選択の問題となる。

▼サービス料の課金方法
上記のとおりで、それらに注意する。誤解して後でもめないように。

▼売買データは見せてくれるのか確認する
見せてくれないこともあるが、原則売買は自分の口座で発生しているはずだからデータは見えるはずである。運用中のポジションが見えると安心である半面気になって仕方がないかもしれない。あるいは逆に“楽しさ”が味わえるかもしれない。“やってる感”が楽しめるのであるが、ただ単純に毎月今月はこういう取引をしてこういう結果でしたという情報が取引口座で反映すると、感覚的にはファンドを持っているのと同じになる。

▼自分のパソコンで動かすのかどうかを確認する
そうであるなら普通の人はやらないほうがいい。MT4ユーザーでEAに精通している人など、ある程度こうした金融ITに明るい人でないとやらないほうがいい。家に帰った時だけそのシグナルを実行して数時間遊んで終わるというのがパターン化しないように気をつける。

▼信頼に足る業者かどうか
登録していることは当然。海外業者で振り込み先の名義が登録業者名でない場合は避ける。お金を振り込んだがその後何の連絡もないというトラブルはなくなっていない。

自分でシグナルを作る人

 現在のツールとして一番世界的に使われているのがメタトレーダー(MT4)であることは周知の事実だが、そこにFXCMがストラテジートレーダー(ST)という対抗馬を昨年からベータで打ち出してきている。特徴としては、MT4はプログラム言語にMQLという特殊なものを利用しているが、STはCシャープを利用する。Cシャープの方がその普遍性においては比べるまでもない。また、MT4はそれを開発運用するボストンテクノロジー(BT)社がそれ自体ではいわゆる先物業者ではないので、必ずどこかの業者におんぶする形でしか提供できず、そのためデータベースがBT社のそれと業者のそれとでシンクロさせる必要が生まれ、ここから時々障害が発生することがある(これをOut Tradeと呼んでいる。取引データのミスマッチである)のが問題となる。一方FXCMのSTでは自社で開発しているので、当然データベースは一つであるからミスマッチは起こりようがない。この点は明確な相違点となる。

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これらのプラットフォーム上で、マニアックな投資家は自分で売買プログラムを開発するのだが、それをエキスパートアドバイザー(EA)に入れて動かす。当然自分のパソコンで実行するので、電源をオフにすると止まってしまう。が、そのEAを業者に預けて24時間回してもらうアーカイブサービス(VPS)もある。これは有料(月額2000円程度)だが、一定の預け証拠金を超えると無料で引き受けてくれるところもあるようである。
また、自分のアイデアはあるのだが、MQLとかCシャープという言語で書けない人向けに、代行して書いてくれるサービスもある。業者に問い合わせればそこでやってくれるか(有料、無料)、少なくとも紹介はしてくれると思う。

限られた資金がさらにタイトなレバレッジ規制によって身動きが鈍くなる窮地をシステム売買というツールが救ってくれればいいと思う。こうしたシステムが前提にするレバレッジは高くても5倍ぐらいである。自分自身の判断による売買でうまくいっていない人は、こっちにシフトする価値はあるし、自分で売買タイミングを見極めるより、どのシステムがいいかを選別するほうが、特殊な能力や相場観といったものを必要としない分、あくまでも総論としてだが、勝ち残る確率は上がるのではないだろうか。はたして、その真価が問われるのはこれからである。




Posted by 尾関高

プロフィール

尾関高

尾関高

1986年名古屋大学経済学部卒業。1988年サンダーバード経営大学院(アリゾナ州、米国)卒業。主に日短エクスコにて約9年間、インターバンクの通貨オプションブローカーを経験し、1998年からひまわり証券(旧ダイワフューチャーズ)にて日本で最初に外国為替証拠金取引をシステム開発から立ち上げ、さらに、2006年5月に、これも日本で最初にCFDを開始した。
その後米国FX業者でのニューヨーク駐在や、帰国後日本のシステム会社勤務等をへて、現在は、米国インテグラル社の日本支店に勤務。そのかたわら、本業のみならず、FXにかかわるさまざまな分野においても積極的に意見具申中。
拙著に、「マージンFX」(同友館、2001年2月)と「入門外国為替証拠金取引〜取引の仕組みからトラブル防止まで〜」(同友館、2004年6月)がある。。

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