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多極化する金融世界

税制改正とFX業界の今後について

2010年12月27日(月)

 先日、税制改正の趣旨が発表された。平成24年からではあるが、ようやく店頭FXでも取引所FXと同様の税制となる。レバレッジ規制という大きなマイナスがあったが、これはこれで大きなプラスなのではないだろうか。今回は税制改正を含めて、FX業界の今後を考えてみたい。

■続・レバレッジ規制の影響

 2010年8月から施行されたレバレッジ規制の影響は、一般的には取引高3割程度の減少となっているが、実際は7〜9割減少した取引会社もあったと聞く。それだけに高レバレッジ・低スプレッドのビジネスモデルだったことから、それなりの方向転換を迫られているのだと思う(そういう意味ではいくつかの動きもあったが・・・)
また、減少した分の取引高を回転数で補うため、スプレッドの更なる縮小も見られた。その成果もあってか、現在では規制前よりも取引高が伸びている取引会社も少なくない。ただ、収益面は明らかに落ちていると言える。

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ここで取引会社にとっては共通とも言える課題が出てくる。一つはスプレッド縮小による流動性の強化。もう一つは収益性の強化である。単純にスプレッドを縮小したとしても、取引高は確かに増えるが、その反面、収益性は極端に悪化する。当たり前のことだが、それがなかなか難しい。例えば、システムが自前ではなく、他社のASPを使用している場合、そのトランザクション費用を考えないといけない。大抵は100万ドルあたり、10〜15ドル程度だが、これではドル円1銭でレートを提示するのは難しいものである。ここから更にカバー業務のチケット費用も合わせて考えなければならないので、かなりの取引高を取らないと、とてもじゃないが事業としては成り立たなくなってきたのが現状ではないだろうか。

また、流動性の強化という面でも困難を極める。カバー先を増やし、いかにタイトなスプレッドを生成し、顧客に提示できるか。スプレッドを縮小すればするほど流動性は乏しくなり、顧客の注文によっては、カバーすることができずに自社で持つポジションが大きくなってしまう。結果として、カバーによる収益がマイナスになってしまい、ところによっては顧客の注文をキャンセルするかすべらせるかを考えなければならなくなる。よく叩いたレートで何銭かすべった、という話を聞くが、まぁそういうことが大半だと思う。スプレッドを縮小することで、顧客の注文を増やし、取引高を増やし、収益を増やすのだが、その度に収益性や流動性は悪化の一途を辿る。つまるところ、そうした課題をクリアできる取引会社が生き残っていくのだろう、と思う。

システムトレードやバイナリーオプションといった新しい分野にチャレンジする取引会社も出てきた。そうした意味ではレバレッジ規制というのは良い契機となったのは間違いないだろう。過度な取引による未収金の発生もなくなり、ある一定の効果はあったんだと思う。これ以上の規制は必要なのか、という疑問は残るが、おそらく2011年の8月以降もこうした動き(新サービスやスプレッドの縮小等、サービスの多様化と拡充)は続いていくものと思われる。

■税制改正の影響

 人によっては“ようやく”と言えるのが今回の税制改正である。2012年からとなるが、店頭FXの税制が取引所FXと同様、一律20%の申告分離課税となる。このニュースを見て、取引所FXは終わったなぁ、と思ってしまったのは私だけではないと思う。それだけこのニュースのインパクトはあった。何故なら、税制が同じなら、手数料無料の店頭FXのほうが有利だから。

しかし、改正が2012年からなので、おそらく1年以内には(取引所側で)何かしらの動きがあると思う。そこで、次のような動きがあるのではないかと勝手に推測してみた。

(1)取引所のレート桁数を変更(2桁→3桁。4桁→5桁)
(2)単位数を変更(1万通貨→1,000通貨)
(3)取引手数料・清算手数料の引き下げ(現行35円→?円。大証は無理か・・・)
(4)レバレッジ規制の枠組みから外す(CFDは既に対象外)
(5)更なる税制優遇を試みる(20%→10%。株では常に10%だが、通算がややこしくなる)
(6)通貨先物へ鞍替え(究極の選択肢。大証にはOMX、TFXにはLIFFEがあるからなぁ・・・)

当たり障りのない思いつきで、突っ込みどころはあると思うが、このまま話を進める。一つのシナリオとして、取引所FXが衰退の危機に陥る可能性があるのは間違いないと思う。では、取引所FXが生き残るためにはどうすればいいのか。(4)や(5)のような行政頼みではなく、新たなビジネスモデルを考えなければならないのは事実だろう。そこで、店頭FXが抱える上記の問題に着目したい。

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取引所は店頭FXを行う取引会社に対して、流動性を提供する。証拠金は取引会社が法人なので、1%(レバレッジ100倍)程度にする。取引会社にとっては証拠金率の低いカバー先を手に入れることができるし、銀行にとっては相手先が取引所なので信用リスクが少なくて済む。取引所は流動性の確保とクリアリングに努める。カバーはいわゆる自己取引なので、そういった注文については取引手数料・清算手数料は引き下げする。そうした意味では(1)の制度変更は必要となるが、(3)と(4)は規則の問題なので、検討の価値は十分にあると思う(ただ、嫌悪感は燻ると思うが・・・)

これが実現できれば店頭FXと取引所FXは一種の共存関係になる。結果として、顧客への提示レートの透明性は高まり、流動性が確保できることから、約定の信頼性も上がる。私はこうした関係を望んでいるのだが、当事者から見れば“甘い”のかもしれない。




Posted by 葛木茂樹

プロフィール

葛木茂樹

エヴァンジェリスト&コメンテーター / 葛木茂樹

かつては証券会社や情報ベンダーに勤務していたことがあった。それらで培ったノウハウを活かし、フリーのコメンテーターとして日々を過ごしてきたが、現在では某社のエヴァンジェリスト(伝道師)として職務に励んでいるようだ。前職のこともあり、当然ながら金融業界には強い。

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