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米国:NFAの新ルール:注文、取引データの電子的方法による日次報告義務

2010年10月25日(月)

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NFAは9月7日のCFTCへのレター、FDM Trade Reporting System – Proposed Adoption of NFA compliance Rule 2-48 で、CFTCに対し、NFAのコンプライアンスルール、2-48 Forex Dealer Member (“FDM”) Trade Reporting Systemを、Commodity Exchange Act Section 17(j)をアメンドし、採用(adoption)するように要望していることをご存じだろうか。本年8月19日にはNFA内ではすでに承認された新規制(報告義務)で、現在CFTCの承認を待っているものである。ちなみにNFAの会員規制ルールはすべてCFTCの承認が必要である。

簡単に要約(かなりの意訳)すると、

(a)業者は日々、午後5時時点でのNFAが別途定めるデータを指定のフォーマットに従って
 作成し、当日午後11時59分までに指定する電子ファイル送信方法を用いてNFAに
 送付しなければならない。

(b)当該データを送信するにあたり、その内容が完全に真実であることを会員は保証するもので
 あること。(嘘は絶対つかない、データの改ざんもしない性善説を押しつけるということ)

(c)日々の報告が遅延した場合は、罰金として200ドルを科す。罰金を払ったからといって
 報告遅延が免罪(それ以上の罰を罷免)されることを保証しない。

この後、レターは 提起された新ルールについてのいきさつや細かい解説を行っている。ここも“超訳”でご容赦いただきたい。

昨年、NFAは、FX業者が顧客約定における店頭取引(相対)としての優位性を乱用していないかどうかをチェックするために、FX業者から直接注文・取引に関するデータを監視するサーベイランスシステムの開発に着手した。現在のNFAスタッフによる臨店検査ではあまりに労働集約的で効率が悪い。よって、会員から自動的にNFAがあらかじめ指定するフォーマットにしたがったデータファイルを電子的に受け取ることで、取引内容の妥当性(不適切な約定)等の発見と、そのような事象が発見された場合はその業者に対する警告が効率的かつ迅速に行えるものと判断した。

過去18カ月間かけてNFAのスタッフは本システムの開発を行い、これにより業者からの日時の報告を電子的に受け取ることで、潜在的な例外約定の乱用( Trade Exception Abuse)を特定し「例外レポート(Exception Report)」を作成することができるようになる。2010年7月1日からすでにパイロットプログラムは始動しており、現在いくつかの会員には参加してもらっている。NFAとしてはすでにメジャーな会員に本パイロットプログラムに参加するよう働きかけており、数週間後にはすべての会員の参加を希望している。

NFAは会員に対して本システムの開発について周知している。コンプラスタッフはすべての会員にコンタクトをとり、本システムのついての情報を十分与えてきている。また、いったんこのシステムが稼働したらどういうデータの報告が求められるかを十分説明してきた。加えて、コンプラスタッフは何度もコンファレンスコールを行い会員の質問や懸念に対して答えてきた。(だから実践に移しても混乱は起きないよ、と言いたいのであろう)

しかしながら、正式に本システムを導入するに当たり、NFAは会員に対して報告を義務付けるために、新たな規制としての採用を行わなくてはならない。ここに提案されるコンプラルールは、会員に日々の取引報告義務と遅延に対する罰金を科すものである。

ルール2−48は具体的な情報の内容を定義していないが、会員は以下のものを提出しなくてはならない。

・当日の注文データすべて
・当日の約定データすべて
・報告書初日に提出されるマネーマネジャーリストに変化があった場合当日に、その変更内容
・当日の補てん(price adjustment)
・当日のシステム障害や相場の急変があればその内容

本システムはこれらの情報を分析し、例外レポートを作成する。本レポートは以下の評価を行う。

・顧客注文がplatform(約定を司るサーバーを指している)に到達してから約定するまでの
 遅延具合
・顧客が発注時に見たプライスと、その注文がplatformに到達するときのplatform上の
 プライスで違うことがどれくらいの頻度であるか。(レイタンシーの問題が絡む)
・特定の業者の約定がブルームバーグなどのレートと照らして異常(out-of-line)でないか
 どうか、また業者のスプレッドが他の業者とも比較して異常でないかどうか。
・顧客のストップオーダーやマージンコールによる約定が他の業者の価格と照らして異常で
 ないかどうか。

本件から私が感じることは以下のようなことである。

・米国規制当局も相当IT化のスピードを加速してきた。
・そうなると監視がだんだんリアルタイム化してくるのだろう。
・透明性という概念の新しいパラメータになりつつある。(これは大きなテーゼを
 はらんでいるのだが、重いテーマになりそうなので、いつかまたの機会に)
・当局の恣意的な判断はパラメータの値の設定に集約され、あとはそれに従って
 白黒が判断される。あたかも自動売買プログラムのように。そうなっていくのだろうか。
・米国も表示されるプライス水準、スプレッド、そしてその通りに約定されているのかを
 気にしている。
・例外規定として、なんでも相場異常だったからなどの理由で過大なスリッページを顧客に
 押しつけて、実は内部で結構な利益を蓄えるという行為をなんとかして排除しようと
 している。
・ここで実際のマーケットとしてブルームバーグなどの第3者を想定しているようだが、
 それ以上にスプレッドが狭い業界だとあまりあてにはならないだろう。これは、
 リテールマーケットは常にインターバンクの動きを追随するものであるという前提に
 たつが、はたしていつまでもそうなのだろうかという疑問をぬぐえない。
 2つ目の重いテーマで、これもまた別の機会で掘り下げる予定である。

NFAのスタッフが臨店検査できているのを見かけることがあるが、多い時で8人ぐらい来ているのを見る。押し並べて皆若い。20代から30代ばかりのように見える。そういう彼らが提案して始まったプロジェクトなのかなと思う。

こうして集められるデータは私から見ればダイヤの原石、埋蔵金という感じである。その扱いには慎重になるが、守秘義務を持つ規制側として見ても、その価値は計り知れず、有効活用の可能性は無限にすら思える、とはちょっと言い過ぎか。個人的には、ぜひとも分析してみたいデータである。




Posted by 尾関高

プロフィール

尾関高

尾関高

1986年名古屋大学経済学部卒業。1988年サンダーバード経営大学院(アリゾナ州、米国)卒業。主に日短エクスコにて約9年間、インターバンクの通貨オプションブローカーを経験し、1998年からひまわり証券(旧ダイワフューチャーズ)にて日本で最初に外国為替証拠金取引をシステム開発から立ち上げ、さらに、2006年5月に、これも日本で最初にCFDを開始した。
その後米国FX業者でのニューヨーク駐在や、帰国後日本のシステム会社勤務等をへて、現在は、米国インテグラル社の日本支店に勤務。そのかたわら、本業のみならず、FXにかかわるさまざまな分野においても積極的に意見具申中。
拙著に、「マージンFX」(同友館、2001年2月)と「入門外国為替証拠金取引〜取引の仕組みからトラブル防止まで〜」(同友館、2004年6月)がある。。

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