外国為替取引ニュースサイト FOREX PRESS

会社概要

お問い合せ

ニュース受付

HOME > 為替コラム

先月

2003/10

12345678910111213141516171819202122232425262728293031

来月

為替今昔物語

最近のドル円相場と投資戦略

2003年10月03日(金)

■最近のドル円相場

 ドル円相場は、G7で「為替相場の柔軟性」について声明したことを受け、9月23日に110円60銭台まで下落した。この水準は、2000年12月以来2年10ヶ月振りのドル安である。その間のドル最高値は2002年2月の135円。ドルの上昇期間は約2年3ヶ月。ドルの下落相場の始まりを2002年3月とすると、下落期間は約1年6ヶ月になる。今後のドル相場は、110円割れが焦点になる。この水準でのさらなる急激な円高には、日銀の介入余地も出てこようが、十分な時間をかけてなだらかに円高が進行するならば、日銀の介入の余地は少なくなると思料する。従って、暫く110円台でもんだ後は100円台前半までの円高はありうると見ておいたほうが良さそうだ。

■ある投資家の相談

 最近、ある投資家から「ドルが十分安くなったからドルを買いたいと思うがどうか。」との質問を受けた。筆者は、「株式、債券、投資信託は勿論外貨預金や外国為替取引など金融市場商品には絶対に損をしないという商品は存在しない。従って、金融商品に投資する場合は、自己責任において投資をすることが基本。そして一番重要なことは、投資した金額が全額損をしてなくなっても決して生活に破綻をきたさない範囲内で投資すること。」を一般投資家に理解していただきいと願っている。
 
そのため、上記のような質問に対しては、「投資は自己責任が基本なので、買うかどうかの判断は、ご自身で判断してください。」と答えることにしている。相場予測が筆者のビジネスの範疇では無いからである。しかし、例外もある。彼は自己責任原則を十分理解した上で、個人的な情報交換として聞いたとのことで、筆者の相場感を話した。

■円高局面での投資戦略

 現状のドル円相場は依然としてドル安トレンドであり、この時点での投資戦略は「戻り売り」スタンスが好パフォーマンスであろう。しかしながら、利食いは確実に行い短期投資に徹することが重要。

一般的に言って外国為替ディーラー経験者は「ドルの戻り売り」戦略を好んで使う傾向にある。1973年に我が国が為替市場に固定相場制から変動相場制に移行して以来、ドル円相場の歴史は円高の歴史であることを為替ディーラーが体感しているからである。

一般投資家にとっては「為替取引はドル買いとドル売りはどちらを先行してポジションを作っても、収益チャンスは同じである。」という理屈は理解しても心理的に「ドル売りを先行してポジションを作ること」は難しいのが事実。(今回の円高局面では、売り先行して、収益を上げた勉強熱心な優れた投資家も多数いることも事実であるが・・)

■ドル円買い先行について戦略

 彼との情報交換の続きであるが、「どうしてもこの水準でドル買いを先行したい」との相談に対して、次の2通りの投資戦略をアドバイス。

(1) 短期的な投資戦略

この水準で買いポジションを先行したら、予想通りドルが高くなったら、確実に決済して利益を確定すること。その場合、ロスカットを必ず設定して、更なる円高に対して損失を限定的にする。

(2) 長期的な投資戦略

投資予定金額の一部を使って、少しだけドルを買う。ロスカットは置かない。レバレッジ(投資倍率)は少なくして、追証や自動ロスカットにかからないようにする。相場が円高になったら更に買い増しをする。その際もレバレッジを低く維持する必要がある。

現状の円高相場が円安相場に転換するまでには相当期間を必要とするので、その間の円高シナリオの最悪のケースを想定して、例えそのレートになっても追証や自動ロスカットにかからないように、証拠金に対するポジション管理を徹底することが必要。(注:彼との情報交換では、具体的な相場や期間を挙げて話したが、紙面上では筆者の省略した。)

■為替取引会社の責任

 最近の円高で、ある為替取引会社の営業マンから、「もっと円高が進むと、自動ロスカットにかかり、ドル買いのポジションが清算されて大損になります。ロスカットにかからないように、証拠金を送金してください。」との電話を受けたという話を聞いた。ドル安トレンドの中で、証拠金を追加送金してもポジションを維持する理由があるとすれば、近いうちにトレンド変換が予想される場合であろう。もし、その本意が円高により減少した預り金残高をカバーする為であれば、会社の都合優先の行動であり、必ずしも顧客の利益に繋がらない。現状のポジションを減額させる等のリスク軽減をアドバイスをする方が顧客サービスになることもある。なぜなら、追加の証拠金を工面するために借金をする投資家が一人でもいるとしたら、生活破綻者予備軍を作るきっかけとなる可能性があるからである。
 
為替取引会社はそのようなことがないように、顧客に対する適切な情報サービスを提供する責任がある。




Posted by 佐藤利光

プロフィール

佐藤利光

ジェトロ認定貿易アドバイザー / 佐藤利光

日本信託銀行(現三菱信託銀行)で外国為替業務に20年間、資金運用業務に10年間従事。固定相場時代から外国為替ディーラーを勤める。変動相場制移行のきっかけとなったニクソンショックの数少ない経験者。経営者向けセミナーや社内研修などの講師経験豊富。外国為替取引会社代表取締役を経て、平成15年4月1日より国際投資アドバイザーとして独立。ジェトロ認定貿易アドバイザー。

検索

最近の記事

最近のコメント

RSS1.0 [Login] powered by a-blog

当サイトは為替証拠金取引を中心とした外国為替の取引に関するニュースのみに特化しています。乱立する為替取引・サービス情報を一同に介し、わかり易くジャンル分けすることで投資家・投機家が欲しい情報を即座に入手できるようにと思ったのが立ち上げの主旨です。またこのホームページに掲載している内容が正確であるよう最善を尽くしておりますが、内容についての一切の責任を負うものではありません。その旨ご了承願います。

FOREX PRESS

キャピタル・エフ株式会社

2002/11/15より運営開始