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外国為替基礎知識講座〜FX取引と外国為替取引

2010年08月20日(金)

15年ぶり円高水準

 8月12日早朝の時事通信ニュースは、「11日のロンドン外国為替市場では、円が対ドルで急伸し、一時1ドル=84円72銭をつけた」事を伝えていた。これは1995年7月4日の84円57銭以来約15年1ヶ月ぶりの円高水準であると言う。しかし、円相場の歴史的な最高値(さいたかね)では無い。

対ドルでの円相場の最高値は1995年4月に付けた79円75銭である。外国為替市場関係者の関心事は「ドル円相場が再び80円を割る事があるか」そして、「その相場が長期化するかどうか」である。

1995年市場最安値をつけた時の東京外国為替市場

 ドル円が80円を割り込んだ当時、筆者は銀行でディーリング部門の管理者をしていたので、80円を割り込んだ時の事を鮮明に覚えている。

当時の為替市場では、ドルは80円割れ必死と言う見方が支配的だったが、金融当局は80円割れを容認しないだろうと言う意見もあり連日80円割れトライの相場展開が続いていた。当日も東京外国為替市場では80円割れの攻防が続いていたものの80円は底堅い相場が続いていたが、東京外国為替市場が終わる3時30分直前に突然80円を割り込んだ瞬間にドル買い注文が無くなり、ドルがフリーフォール(急落)する様相だった。

79円台で取引されていた時間は、ほんの一瞬間だった。東京外国為替市場の最安値79円75銭で買う事ができた銀行は5行で、取引金額は1行当り5百万ドルで 総額25百万ドルだった。その内の1行が筆者が勤務していた銀行だった。歴史的な相場で買う事ができた当社のドル円チーフディーラーは、興奮して「いやー、怖かった。80円割れの一瞬を逃していたら大損するところだった。80円割れたら相場がいくらでも買おうと思ってドルをショートにしていた。ドルショートでなかったら怖くて市場最安値で買う事ができなかった」と興奮していた。
 何故なら、79円75銭が付くと、直ぐに日銀の押し上げ介入が始まった。相場は直ぐに80円を回復し、当日数円の幅で相場を戻したからである。その後ドル円相場は、ドル高相場を辿り、1998年10月に147円を付けている。

円高で損失を被る理由

 個人投資家は、一般的に大幅な円高になると、大きな損失を被る可能性が大きい。その理由は人間心理にある。

個人投資家は、どうしても「ドル買い取引を先行し、ドル買いポジションを作りドルが上昇したらドルを転売し収益を得る」と言う投資行動を取る個人投資家が多い。彼らは、「FX取引では、ドル売り取引を先行してドル売りポジションを作り、ドルが下がったらドルを買い戻して収益を得ることができる」事をFX業者のHPを読み、良く知っている筈である。しかし頭で理解しても、実際の投資行動になると、ドル買いポジションを持つ事が多い。

何故なら、我々の日常生活では、何も持っていない状況では、「ある特定の物を買う」と言う行動が普通であり、何も持っていないのに「ある特定の物を売る」と言う行動は殆どないので、FX投資においても、先ず、ドルなどの外貨を買い事が自然の行動となる。この事が急激な円高になると多くの個人投資家が大きな損失を被ることが多い理由である。

勿論、円高局面で外貨の売り先行のポジションを作り収益を上げている優れた個人投資も多い。彼らは、銀行の外国為替ディーラー同様、ドルなどの外貨を物として捉えていないからである。

FX取引と外国為替取引

 FX投資家は、FX取引を株式や投資信託などのような金融商品の一つとしてみている。つまり、FX取引をする時に、株式や投資信託と同じように、先ず買うことからスタートする。 しかし、確実に収益を上げている優れた個人投資家は違う。彼らは、「FX取引は、証拠金を担保とした外国為替取引である」と見ているので、一方的に外貨を買うという行動はしない。

外国為替取引とは、「米ドルと日本円、ユーロと日本円あるいはユーロと米ドルと言う様に異なる二つの通貨の交換取引」である。つまり、米ドルはアメリカの通貨であり、日本円は日本の通貨であるから、米ドルも日本円も「通貨」と言う観点から同等である。米ドルは物では無い。従い、ドル円取引は「米ドル売買取引」で無く、「米ドルと日本円の交換取引」である。そして、ドル円相場とは「米ドルと日本円の交換比率」である。 
 
FX取引をする時に、ドルを物として考えると、「ドルが安くなったら買う」あるいは「ドルが高くなりそうだから買う」と言う考え方になる。しかし、ドルと円のどちらも「通貨」という事では全く同じ地位であると考えると、ドルと円を比較してどちらが高くなるかを考え、高くなる通貨を買えば良い。つまり、ドルが高くなればドルを買い、円が高くなれば円を買う、つまりドルを売れば良い。

最近の為替ディーラーはどうか詳しくは知らないが、一昔前(1990年代まで)の為替ディーラーは「ドル戻り売りが好き」と言われていた。




Posted by 佐藤利光

プロフィール

佐藤利光

ジェトロ認定貿易アドバイザー / 佐藤利光

日本信託銀行(現三菱信託銀行)で外国為替業務に20年間、資金運用業務に10年間従事。固定相場時代から外国為替ディーラーを勤める。変動相場制移行のきっかけとなったニクソンショックの数少ない経験者。経営者向けセミナーや社内研修などの講師経験豊富。外国為替取引会社代表取締役を経て、平成15年4月1日より国際投資アドバイザーとして独立。ジェトロ認定貿易アドバイザー。

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