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為替今昔物語

あるベテラン個人投資家の相談(2)

2003年09月05日(金)

■ベテラン投資家の相談(前号のあらすじ)

 あるベテラン投資家から「相談がある」と電話があり、JR飯田橋駅の近くにあるシニアワーク(高齢者雇用センター)で会うことにした。相談内容は今年3月末まで代表をしていた外国為替会社の口座を閉鎖することであった。会社へ電話をし、取締役に書類を持ってきて貰い、残金の送金と口座閉鎖手続きを行った。「健康を損ねたので、この際、身辺整理をしたい。」との希望からであった。

■数社との取引

 口座閉鎖手続きが終わり再び二人になると、彼は再び暗い表情になり、「実は他の会社の口座も閉鎖したい」との相談を話し出した。他に三社に口座を保有しているという。うち二社は商品先物取引会社、一社は外国為替業務を主業務とする証券会社であった。彼の心配事は「口座閉鎖を申し入れて、逆に追加証拠金を要求されることになったら大変なので、上手く処理して欲しい」との事であった。「全ての取引会社の口座残高明細表を見せてもらいながら相談しましょう」ということにした。タクシー乗り場まで手を繋いで連れて行った。タクシーに乗る前に彼は「よろしくお願いします」と言って筆者の手を何度も硬く握ってきた。「大丈夫ですよ。心配しなくても。きちんとしてあげますから」というと表情が穏やかになり、笑顔になった。

■不安の原因

 翌日、連絡の上彼の自宅にお伺いすることになった。送付された口座残高明細表を確認するといずれの口座にもポジション残高は無く、心配するような問題は無いように思えた。その旨を告げ「直ぐに口座閉鎖を電話で申し込みましょう。問題無いでしょう」と言うと、「いやー、もし電話して、追加証拠金を払えと言われたら困る。そうならないように上手くやって貰いたい」と何度も頑なに主張する。どうも彼は無断売買をされ、その収支尻を要求されるのではないかと恐れている様子であった。商品先物取引員の一部に強引な営業をする業者がいることを知っているだけに、「もし、取引会社がそのような会社であったらどうしようか」というのが彼の不安原因であった。三社とも筆者が知っている会社だけに特に問題は無いと思われるが、病弱のため必要以上に弱気になっている様子が伺われた。

■口座閉鎖手続き

 近くに住んでいる娘さんに来て貰い三人で相談した。万が一の事態になったら対応策を筆者が考えるから心配しないで良いと二人で説得して、電話で口座閉鎖を申し入れることにした。二人に励まされたことで,彼は取引会社へ電話して、口座残高確認と口座閉鎖を申し入れた。三社とも持高はゼロで、預金口座残高もゼロであることの確認が取れた。念のため娘さんがその都度電話を代わり再確認した。そして、その顛末をメモに残した。同席者として筆者の名前も記入したメモを確認して、彼はすっかり肩の荷が降りたように安心した表情を示した。筆者は特に問題は無いとは思っていたが、三社とも筆者が期待していた対応であったのでほっとしたのも事実である。

■ストレスによる入退院

 娘さんの話によると、昨年の先ごろから病院に入院をしたが、病気の原因が良くわからず入退院を繰り返していたという。「きっとこの不安がストレスとなり病状が一向に良くならなかったのではないか」と話した。「しかし、家族は証拠金取引の事については全く解らず、なぜ不安なのか理解が出来なかった」そして、場合により金融専門の弁護士に相談するかどうか悩んでいた矢先であったとの事。「今こうして業界のこと、業者のこと、そして父が不安に思う原因などを説明してもらい、初めて父が心配している内容が理解出来ました。もっと早く相談すればよかった」ということで本件は一件落着した。

■世間の認識

 一般的に言って、商品先物取引会社には、「しつこい営業」「出金に素直に応じない」「無断売買」「追加証拠金の電話」などの芳しくないイメージがある。残念ながら一部の業者には当てはまるところがあるのが事実だ。しかし、「外国為替取引を通じて、商品先物取引員のイメージを変えたい」との思いから、「しつこい営業をしない」、「出金要請には速やかに対応」、「違法な無断売買は禁止」を実行している業者も多い。業者とのお付き合いで感じていることである。しかし、「外国為替取引の資料を請求したら、商品取引の電話セールスがかかってきた。」との話も良く聞くことである。外国為替市場の健全なる発展のためには、為替取引会社各社で襟を正して営業することが必要不可欠です。




Posted by 佐藤利光

プロフィール

佐藤利光

ジェトロ認定貿易アドバイザー / 佐藤利光

日本信託銀行(現三菱信託銀行)で外国為替業務に20年間、資金運用業務に10年間従事。固定相場時代から外国為替ディーラーを勤める。変動相場制移行のきっかけとなったニクソンショックの数少ない経験者。経営者向けセミナーや社内研修などの講師経験豊富。外国為替取引会社代表取締役を経て、平成15年4月1日より国際投資アドバイザーとして独立。ジェトロ認定貿易アドバイザー。

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