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南アフリカランド/円の異常相場取引に対する考察〜その四

2010年02月05日(金)

くりっく365は取引所取引か?

 ある投資家から、「くりっく365は東京金融取引所の上場金融商品であるから取引所取引ではないのか」との意見をいただいた。昨年12月3日号で、筆者は次のように書いていたからだ。

「取引所取引とは、投資家が取扱会社を通じて取引所に出した売り注文と買い注文を取引所で約定させていく取引である。一方、相対取引とは、1対1の取引である。FX取引は投資家とFX業者との相対取引である。同取引所のHPには、「くりっく365」では、投資家の皆様の相手方は取扱会社となりますが、取扱会社の取引の相手方は金融取であり、間接的に金融取が全ての取引の相手方となります)と明記している。つまり、取引の相手方を特定しているので、取引所取引ではなく、相対取引である」

コメルツ銀行に対する処分についての違和感

 投資家が「取引所が取り扱う金融商品は、取引所取引である」と考えるのは一理あるかも知れない。しかし、外国為替市場取引経験者は取引方法の違いで、相対取引と取引所取引を区別している。取引所が上場している金融商品で取引所が契約当事者となる相対取引はFX取引だけである。筆者は、同取引所が相対取引であるFX取引を取引所取引同様の取り扱い方をしたことが、今回の「南アフリカランド問題の発生原因」ではないかと思っている。 従って、筆者は、同取引所が昨年12月21日付けにて、マーケットメイカーであるコメルツ銀行に対して「処分」を発表した事に違和感を覚えた。

投資家に対する相場提示の責任

 一般的に、投資家に対する相場責任は取引当事者のFX会社が負う。カバー先の銀行がFX会社に対して異常相場を提示したら、カバー先とFX会社の問題として解決すべきで、投資家には関係が無い。

くりっく365では、間接的ではあるが同取引所は投資家との取引契約の当事者である。筆者は、今回の「南アフリカランドの異常相場提示問題」に対し、投資家に対して責任を負うのは、取引当事者である同取引所であろうと考える。

もし、同取引所がくりっく365に対して相対取引の当事者意識があれば、問題発生直後速やかに投資家に対する対応策が取られたのではないだろうか。もし、その対応策が速やかに取られていたら、翌営業日の為替相場に大きな影響を与えなかったに違いないと思う。

通貨先物取引

 東京金融取引所は1989年に金融先物取引法が施行されたことに伴い東京金融先物取引所として設立された。同取引所は金利先物と日本円・米ドル通貨先物を上場した。筆者が銀行の資金運用部門に勤務している頃で、銀行の大手顧客に対して、貿易取引の為替相場ヘッジなどに通貨先物取引を活用していただけるのではないかと期待していた。

しかし、通貨先物は、相対取引ではなく取引所取引なので、売買注文が少なく取引が成立し難いとの欠点があった。大手銀行や外国銀行がマーケットメイカーとなり、取引の活発化を意図したが、結局1992年に上場廃止となった経緯がある。

くりっく365は相対取引で成功

 東京金融取引所がくりっく365の取扱をすると聞いた時に、通貨先物同様短期間で上場廃止になるのではないかと懸念した。しかし、くりっく365は同取引所が、間接的ではあるが投資家に対する取引の当事者となる相対取引として商品設計されていた。取引所取引の通貨先物が短期間で上場廃止となったが、相対取引であるくりっく365は投資家に支持され取引が拡大した。

同取引所はくりっく365は相対取引であることを念頭において、商品設計、システム設計などをしていれば、今回のような不祥事は生じなかったに違い無い。例え、問題が発生しても速やかに問題解決の対応ができたに違い無い。




Posted by 佐藤利光

プロフィール

佐藤利光

ジェトロ認定貿易アドバイザー / 佐藤利光

日本信託銀行(現三菱信託銀行)で外国為替業務に20年間、資金運用業務に10年間従事。固定相場時代から外国為替ディーラーを勤める。変動相場制移行のきっかけとなったニクソンショックの数少ない経験者。経営者向けセミナーや社内研修などの講師経験豊富。外国為替取引会社代表取締役を経て、平成15年4月1日より国際投資アドバイザーとして独立。ジェトロ認定貿易アドバイザー。

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