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当局の高レバレッジ規制について

2009年06月10日(水)

■当局の高レバレッジ規制の内容

去る5月29日、金融庁はFX業者に対して、FX取引に対する規制(案)を公表した。
規制の内容は

(1)FX取引について、業者に対し、ロスカットルールの整備・遵守の義務付け
(2)想定元本の4%以上の証拠金を受けずに取引を行うことを禁止。
   但し、公布から概ね2年後までは2%以上とする経過措置を講じる。

同庁公表の「規制の事前評価書」によると、金融庁は、最近の高レバレッジ化傾向に次の観点から問題があり、規制が必要と断定している。

(1)顧客保護(ロスカットが十分に機能せず、顧客が不測の損害を被るおそれ)
(2)業者のリスク管理(顧客の損失が証拠金を上回ることにより、
   業者の財務の健全性に影響がでるおそれ)
(3)過当投機

■レバレッジとロスカットの関係

 現在、業者が採用している強制ロスカットのルールは二通りある。100倍(証拠金率1%以下)以上の高レバレッジのFX商品を採用している業者は、強制ロスカットの条件を証拠金額額が取引証拠金額と同額としている。50倍以下(証拠金率2%以上)の低レバレッジのFX商品を採用している業者は、強制ロスカット条件を取引証拠金の50%以下としている。この規制が公布されると、高レバレッジを売り物にしていた業者ほど、為替取引高が劇的に減少することになろう。

業界の一部あるいは投資家の一部には、高レバレッジ規制は当局の過剰規制ではないかとの声もあるが、筆者は、残念ながらこれは業者の自業自得と言われても仕方がないのではないかと思料する。

■為替相場変動率とレバレッジの関係

 サブプライム関連商品の問題が表面化する前の2007年までの数年間、ドル円相場は穏やかな変動で、1日の変動幅は1円以下の日が多かった。時々大きな変動があっても2円〜3円程度の変動幅だった。その当時、レバレッジは10倍程度が一般的であり、高レバレッジを採用している業者でも100倍が最大であった。

ドル円相場は、2008年3月に、米国大手投資銀行のベアー・スタンズの実質経営破たんが表面化してからは、大きく相場変動するようになった。業者の相場変動リスク管理の観点からは、相場変動率が高くなればレバレッジを低く設定しなおさなければならない。 しかし、一部の業者はこの時期からレバレッジを200倍、300倍と高くしていった。自社の収益増を目的として、顧客に高レバレッジ化して、取引量を増加させようと言う魂胆である。

他業者も、他社との競争上多かれ少なかれ自社商品の高レバレッジ化を進めた。どの結果、100倍(証拠金率1%)程度のレバレッジを採用している業者が一般的になり、一部業者は400倍(同0.25%)や600倍(同0.16%)のレバレッジを採用している。大相場変動が起きれば、経営上問題となる可能性が大きい。

■残念な当局規制

 我々、銀行の外国為替ディーラー経験者の仲間内では、「為替相場変動率が高くなれば、それにあわせてレバレッジを低く設定しなおすべきなのに、逆行してレバレッジを高くするとは!! 経営者は為替リスク管理についてきちんと理解しているのだろうか」と、昨年春以降に一部業界がレバレッジを低くするどころか、高くしたことに、不安を感じた。事実、昨年10月にドル円で高値と安値の幅が8円と大きな相場変動があった時に、ロスカット処理で顧客とトラブルになったり、相場変動で多額の損害を被った業者もいた。大相場変動に対して取引システムの対応不備という問題があったが、高レバレッジ化も問題を大きくした。

当局が高レバレッジに対して規制をすること至ったことは大変残念なことではあるが、業者は、「FX業者は、この機会に、FX取引は単なる投資商品でないことを理解し、貿易取引にFX取引を有効的に活用することを提案して、社会貢献する業者に成長すること」を期待する。




Posted by 佐藤利光

プロフィール

佐藤利光

ジェトロ認定貿易アドバイザー / 佐藤利光

日本信託銀行(現三菱信託銀行)で外国為替業務に20年間、資金運用業務に10年間従事。固定相場時代から外国為替ディーラーを勤める。変動相場制移行のきっかけとなったニクソンショックの数少ない経験者。経営者向けセミナーや社内研修などの講師経験豊富。外国為替取引会社代表取締役を経て、平成15年4月1日より国際投資アドバイザーとして独立。ジェトロ認定貿易アドバイザー。

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