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株式会社マネックスFX 代表取締役社長 工藤恭子氏(第3回)

2009年06月01日(月)

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※役職名は取材当時のものです。記事掲載時点の役職名は取締役会長です。

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■監査ではなく自らがビジネスを

公認会計士の資格を取るには、それなりの時間を勉強に費やす必要があると聞き、公認会計士の受験者を対象とした予備校をいくつか見学しました。ただ、そうした予備校で講師をされているのは、前年に合格した若い方が多く、教えている内容も受験のためのノウハウでしかありませんでした。合格するには、結局は、自分が勉強しないといけないことに変わりはないですし、予備校に通うとお金もかかるので、自宅で勉強することにしました。

自宅での受験勉強を10カ月続け、無事に公認会計士の二次試験に合格することができました。ところが、当時は、試験に合格した会計士補が多数いて、就職するのが大変なときでした。いくつかの監査法人では、入社に際して年齢制限をしているところもありました。

そうした中、ご縁があって、中央監査法人に就職することができました。配属先は、主に海外に上場している企業の日本法人を監査する国際部でした。私の場合、銀行の経験があったので、クライアントのほとんどが外資系の金融機関でした。その中にはゴールドマン・サックスも含まれていました。

監査業務では、クライアント先に出向いて作業をすることが多くあります。マネックスグループCEOの松本は、当時、ゴールドマン・サックスのパートナーでしたので、仕事を通じて顔を合わせることがありました。

3年間の実務研修の後、三次試験を経て最終的な会計士資格を取得しましたが、その頃には自分が監査業務を続けるのは違うのではないかと思い始めました。監査業務の基本は、誰かがしたことを専門的な視点で事後的に確認して意見を表明することで、社会的にも意義のある仕事です。そうは言っても、他人がしたことを追いかけるより、自分で何かをやるほうが面白いだろうと思えてきました。それで、監査業務とは違う仕事を探すようになりました。そんなとき、ゴールドマン・サックスから声がかかり、転職することにしました。

■松本氏のネット証券構想に賛同

当時、日本では、橋本首相の金融ビッグバンがスタートし、日本の金融機関が抱えていた不良債権を流動化する動きが盛んになっていました。ゴールドマンでは、松本が資産流動化プロジェクトを立ち上げていたので、私は、そのチームに加わりました。

ゴールドマンに入社して、2年弱が経過しようとした98年秋、松本からインターネットを使った証券会社の設立を考えているという話を聞きました。一個人が証券会社を作るなどということは、資金面も含め常識的には難しいと考えられていました。またインターネットは、日本で普及し出していましたが、まだまだ一般的なツールとは言い難いものでした。

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ただ、インターネットを使えば、低コストで個人にも身近な証券会社をつくることができるのではないかと感じました。また99年10月に株式の売買手数料が自由化されることは決まっていましたので、そのタイミングとインターネットという二つの組み合わせは、大きなビジネスチャンスをもたらすだろうとも思えました。ビジネスに限らず何かを始めるにあたっては、目標や理念も大事なのでしょうが、タイミングがとても重要だと思っています。あのときにインターネットを使った証券会社を設立したのも、まさに同じ考え方です。

■半年でネット証券を設立

証券会社を作ろうと集まった当初のメンバー4名は、ホールセールの金融ビジネスには長く携わってきましたが、誰一人として自分で株を売買した経験はありませんでした。また、個人のお客様を相手に取引をする経験もありませんでした。誰もやったことがない、サービス業の経験なんてない、でも、できるだろうし、やりたい。そう考えて始めました。今考えれば、かなり無謀な試みだったと思います。システムを詳しく知る人間もいなかったわけですから、なぜ、そんなことができたのか、今となっては不思議なくらいです。おそらく、私自身、若かったと思います。今やれって言われても、きっと、いろんなことを考えてしまうでしょうが、そうした先入観やしがらみがなかったからこそ、本当にお客様の目線にたった会社を作ることができたのだと思います。また、あのタイミングだったからこそ、やれたのだと思います。

証券会社を開業する際の最大のポイントは、株式の売買手数料が自由化される99年10月にサービスをスタートさせることでした。そのタイミングでスタートできれば、投資家からも社会からも高い注目を集められるでしょう。プロジェクトをスタートさせたのが99年初頭でしたから、開業までの準備期間は、正味半年程度でした。半年という短期間で、人集め、システム構築、各種業務まわりなど、すべてを作って間に合わせなくてはなりませんでした。

当時は神田錦町に15畳ぐらいの部屋を借り、当初4人、開業時には15人くらいになりましたが、寝る間も惜しみ開業にこぎつけました。社員は本当に少人数でしたが、いろいろな業者さんからのご協力をいただき、マネックスのプロジェクトに関与した人数は、200人を越えていたと思います。

■サービス開始後も苦労の連続

ネット証券をスタートさせてからも、ゆっくりと眠れることはありませんでした。サービス開始後、いろいろなシステム障害や、トラブルが発生しました。システムは、人間が作るものですから、100%完全なものを作り上げることは不可能です。重要なことは、障害が起きた後、お客様にご迷惑をかけないようにすることです。そこに真価が問われるわけで、障害対応のために徹夜をしたことは数知れずあります。

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申し訳ない話ですが、一度、場中にシステムが止まってしまったことがあります。三連休の前日の取引終了15分前のことでした。その三連休中は、三日三晩、システムを見直すほか、お客さまに対する説明や対応を整えるのにかかりきりでした。我々は、新進の証券会社ですから、システムが動かなくなれば、お客様は自分のお金がどこにいってしまったのか不安になるでしょう。そうした不安を取り除くために、電話の窓口を設け、入金出金に関しては、システムではなく手作業で受け付ける体制を作るなど、できる限りの手を尽くしました。そして、最後の日曜日の夜にシステムが立ち上がらなかったら、もう会社は終わるかもしれない、従業員にも話をするしかないという状況のなか、なんとかシステムを回復させ、業務を再開させることができました。

また、予想以上に多くのお客様から問い合わせをいただいたこともありました。口座開設のための資料請求の数が、想定していたよりも大量にあり、外部の業者さんに対応していただいたのですが間に合わず、資料待ちの方が大量に発生してしまいました。そのため、週末に従業員全員を召集し、2トントラックで口座開設キットを倉庫から取り出し、皆で封入をして中央郵便局に持ち込みました。しかし、郵便局で数を確認したら、数が合わなくなり、その場で名前あわせをして、夜中の12時までかかり処理を終えたなんてこともありました。

■トラブル発生後の対応がポイント

業務においては、トラブル等が起こらないように対処することはもちろんですが、どうしても起きてしまうことがあります。我々は、そうしたトラブルが生じたときは、そのまま放置せず、すぐに対処することで業務全体を改善していきました。そうする中で、各種ノウハウが貯まっていきます。

業務を開始した当初、我々のノウハウは明らかに希薄だったと思いますが、お客様の立場にたって常識的な思考や理屈で考えていけば、大きく間違った方向に行かないと考えています。企業の理屈ではなく、個人のお客様の視点にたって、自分の親など大切な人にも自信をもって提供できる商品やサービスを出していくのがマネックスという会社なのです。

マネックスを始めて10年が経とうとしていますが、トラブルが原因で辞めたいと思ったことはありません。企業経営者の中には、責任をとって辞めるという考え方を取る方もいらっしゃいますが、問題を解決せずに辞めることが責任を取ることとは思えません。何か問題を起こしたら、それを解決することが責任をとることだと思います。

(第4回に続く)


(第1回)依存を嫌った新宿育ちの就職活動
(第2回)為替のトレーディングを通じて学んだ冷静な思考
(第3回)公認会計士からネット証券設立への転進
(第4回)ネット証券からFX事業へ

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