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株式会社マネーパートナーズ 代表取締役社長 奥山泰全氏(第3回)

2009年02月02日(月)

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■金融ビッグバンを契機にシステム構築プロジェクトを切り盛り

 大学を卒業する頃には、学生ビジネスをしながらも、投資が上手な人間として、ある程度評価される状況になっていました。そこで、一般的な就職活動はせず、大学卒業後は、メインの仕事として個人投資家として運用を手がけながら、ベンチャー企業や会計事務所などの顧問や監査役、取締役の仕事をしていました。

システムトレーダーでしたので当時の典型的な生活スタイルは、朝寄付き前後の20分ほどで注文を出し、夕方にポジションを帳入したり精算することの繰り返しでした。その間は特にやることもなく、家でぼんやりと相場を眺めるだけになります。すると、ふと、自分は何をやっているのだ?時間がもったいないな、と思うことが強まってきます。

こうしたなか1997年を迎えました。いわゆる金融ビックバンがスタートした年です。金融ビックバンにより、98年から連結決算制度が導入されることになりました。日本の企業は、連結決算に対応できるよう決算システムを変更する必要があります。こうした中、大手商社から連結決算システムのプロジェクトがあるのでプロジェクトリーダーとして参加しないか、と会計事務所を通じて打診がありました。コンピュータだけでなく、金融や経済が分かるのでプロジェクトの適任者とみなされたようです。ただ、私の本業は、あくまで個人投資家として運用を続ける身でしたので、勤務時間は午前10時から午後4時30分までという条件でプロジェクトリーダーとして関わることになりました。コンピュータは趣味として得意でしたが企業向けの大型システム開発の経験はここで身につけたものです。これが後々のオンライン取引システム開発時のマネジメント能力につながっていくわけです。98年になると、連結決算システムのプロジェクトも一段落し、また個人投資家としての活動を本格化させました。その頃になると運用金額も大きくなってきたので、きちんと時間をかけた方が良いだろうとの考えもありました。

■トレイダーズ証券での勤務を通じて組織や経営を学ぶ

 2000年3月頃、連結決算システムのプロジェクトで一緒に仕事をしていた会計事務所を通じて、トレイダーズ証券という証券会社の仕事を手伝ってほしいとの依頼をいただき、前職のトレイダーズ証券に顧問として着任しました。話を聞くと、社員13人のベンチャー企業が、オンライン証券のシステムを作ったのでそのシステムの運用を週1回で良いから面倒を見てほしいということでした。

2001年4月にトレイダーズ証券のシステム子会社の取締役となり、その後証券会社の取締役に着任し、業務全般を経験させていただきました。日経225のオンライン取引システムの構築に携わりましたが、この取引システムは大手ネット証券2社も含め今でも稼動しています。トレイダーズ証券には、2006年6月26日の退任までお世話になりました。また在任中にFXシステム責任者として3回ほどシステムのリリースにも参加できたのはとてもよい経験をさせてもらったと考えています。

トレイダーズ証券を退任した後、自分の資本で自分のFX会社を作るという発想はありませんでした。多くのプロジェクトに参加させていただく中、企業には経営の意思決定に関して様々な「色」があると感じます。それは良い事でも悪い事でもあるのですが、ビジネスをよりよくしていくために、そして経営者層の一人として活動していく中で、最終的には他の経営陣の意思と一致しない部分も出てきます。株主の期待にこたえるのが経営陣の仕事です。その責任者が社長です。社長を支えるのが取締役の仕事です。そうした経験を通じて、企業の資本には良くも悪くも「色」、つまり意思決定の制約条件があることに気づかされます。株主の為に、社長の為に最大限の貢献をするという前提の中でしか、企業の推進は成立しないということなのです。未熟者の僕は常に自分がよい社長をやっているだろうかと反省する事ばかりです。

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仮に、自分が企業のオーナーとして企業を経営すると、自分が年をとるとともに会社も年をとってしまい、最終的には自分の寿命とともに会社も終わるように思っています。たとえば、私は、携帯電話端末(モバイル)をメインとしてインターネットをすることはありません。一方、若い方ほどモバイルを駆使して金融取引をしたり、音楽を楽しみます。自分では若いつもりでいても、インフラとなっているツールが世代交代していく中で、自分は普通にモバイルを使わないで済まそうとしている。これでは、会社が自分とともに時代の流れについていけなくなってしまいます。企業は、ゴーイングコンサーン(継続企業)を前提としますので、上手に世代交代していける企業を作らなければ駄目だとの思いが自分の中にあります。

金融機関は、社会の公器ですので、本来は世の為人の為となるインフラに近いパブリックでなければいけないと思っています。そんな人間ですから、自分がオーナーとして、証券会社といった金融機関を作りたいとは思わないわけです。むしろもっとパブリックにするにはどうしたら良いのだろうかと、真剣に考えるくらいです。

■1ヶ月で黒字転換、累積3億円の赤字を3ヶ月で一掃

 トレイダーズ証券を退任することが決まった当初、自分でシステム会社かマーケティングの会社を立ち上げようと思っていました。自分では、上場企業の社長という役どころよりも、小さなビジネスをいくつも立ち上げる、ベンチャー企業立ち上げ屋のような分野の方が力を発揮できると思っていたからです。偶然、トレイダーズ証券のときと同じように、マネーパートナーズという会社が困っているから手伝ってあげてくれと頼まれたこともあり、困っているのを放っておけない性分なので、2006年7月にマネーパートナーズに顧問として着任しました。

マネーパートナーズは、2005年6月10日に楽天が、ほぼ100%買収した形で再スタートした会社です。ただ、残念ながら、当時は経営的にうまくいっておらず、非常に苦しい状況となっていました。私が着任するころ、マネーパートナーズは、3億円の累積赤字があり、毎月数千万円の赤字が続いている状況でした。

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そこで、私がまずしたことは、広告宣伝費の全面カットでした。新規見込み客を集めるよりも、既存のお客様を大切にして、今のお客様に喜んでいただけることに注力したわけです。これによって、毎月発生していた赤字がほとんどなくなります。ただこれでは、売り上げが大きく増えません。そこで次に、広告宣伝費を減らす代わりとして、取引手数料をゼロとしました。この結果、初月の取引量が3倍になり、私が着任した初めての月で、いきなり3500万円の黒字が出るようになりました。

取引手数料をゼロとしたとき、お客様の一人が、インターネットの掲示板で「マネパが客のほうを向いた」、と書いていただいたことを今でも覚えています。顧客志向を貫いて良いものを提供していけば、宣伝しなくてもお客様は集まっていただけるし、取引をたくさんしてくれることをしっかりと認識することができました。

着任した1カ月間だけですが、マネーパートナーズが黒字化したこともあり、私はマネーパートナーズから身を引こうとしました。自分で会社を起こそうと思っていたのです。しかし、マネーパートナーズの当時の株主の方々が揃って私に賭けるから、社長をやれと依頼をいただきました。私は、株主の方々に社長を引き受ける条件として、マネーパートナーズを上場させ、パブリックな企業にしていきたいとお願いしました。

(次回に続く)


(第1回)自分の知らない世界を目指し命がけの猛勉強
(第2回)ビジネスと投資の基礎を構築
(第3回)個人投資家からビジネスパーソンへ
(第4回)OTCがFX業界をより良くする

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