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為替今昔物語

FX業界今年の課題

2009年01月05日(月)

大波乱の2008年金融市場

明けましておめでとうございます。
昨年は、ご承知の通り、サブプライムローン問題の表面化により、米国大手投資銀行が、次々と経営はたんの危機に直面した。全米第5位の投資銀行ベアー・スタンズがJPモルガン・チェス銀行に買収され、第4位のリーマン・ブラザーズが会社更生法適用申請し、第3位のメリル・リンチがアメリカ銀行に買収され、第2位のモルガン・スタンレーと第1位のゴールドマン・ザックスが銀行持ち株会社へ移行することになった。

筆者は、信託銀行勤務時代に国際資金運用セクションに在籍し、上記5社と外国証券取引をしていた経験があるだけに、これら伝統と歴史がある投資会社がなくなることに驚きを隠しえない。投資銀行のほかシティ銀行、AIGなどの金融機関の巨大損失が発表されるたびに、世界の株式市場は大暴落し、外国為替市場の相場が乱高下した。そして、外国為替市場では、特に10月以降急激な日本円の独歩高相場となった。

円高で口座開設数増加

急激な円高のため大きな損失を被ったFX投資家がいる一方で、FX取引の新規口座開設数は、10月、11月増えていると言う。12月には円高がさらに進み1ドルが80円台に突入した。12月も新規口座数は前月同様増加していると言う。

筆者は、急激な円高の翌日には、銀行や金券ショップでは外貨現金を購入する人達が長い行列を作っている光景を何度も目撃している。海外旅行の予定がある者は外貨を購入し、その予定が無い投資家はFX取引で外貨を購入する。多くのFX投資家がFX取引のメリット/ディメリットを良く理解している証であろう。しかし、FX業者の経営を圧迫する要因が新たに出てきた事を十分認識していただきたい。

実質ゼロ金利のFX業者に与える影響

12月16日に米国連邦準備制度理事会がドルの政策金利を実質ゼロ金利にすることを発表し、19日には日銀が政策金利(無担保コールオーバーナイトの金利)を0.1%にすると発表した。ドル金利が実質ゼロ金利となったことは、いままで全く無かったことであろう。それ程今回の世界大恐慌の危機が深刻な事態であると米国政府が認めている事に他ならない。

ドル金利と円金利が殆ど同じ金利になったことは、投資家がスワップポイントが受取れなくなるか、あるいは逆にスワップポイントを払わなければならなくなる。このことで、FX投資家の投資行動が大きく変わり、ドル買い持高が大幅に減少することが予想される。

FX業者は、投資家が翌日に持ち越す外貨持高(売り持ち、買い持ち問わず)が多ければ多いほど、投資家とカウンターパーティ(為替持高のカバー先)との間のスワップポイントの差額収益が多くなるが、スワップポイント狙いのFX取引量が大幅に減少することで、大幅な収益源となることが予想される。

顧客証拠金の信託保全にかかるコストアップ

円金利の低下は、FX業者の顧客保証金の信託保全にかかるコストアップとなる。
FX業者は信託保全額に対して一定料率の信託報酬を信託銀行に払わなければならない。

信託報酬の料率はFX業者または信託銀行により違うため一概には言えないが、仮に信託報酬を年利0.3%として話をすすめる。

信託銀行は預かった証拠金を銀行間市場の有担コールで運用する。政策金利が0.5%であった時の有担コールレートは0.45%。FX業者は0.45%の運用益を貰い、0.3%の信託報酬を払う。さらにカウンターパーティに差し入れる保証金を、現金で無く、信託銀行発行の銀行保証書(L/G)を差し入れているFX業者はL/Gの保証料も0.45%の運用益で賄うことができる。

しかし、今般の引き下げにより、有担コールレートが0.1%以下となる。その結果、信託報酬0.3%との差額0.2%と別途L/Gの保証料が大きくコストアップとなり、経営を圧迫する要因となる。

現在120社余りあるFX業者の中で、新たに発生したスワップポイントの収益減少と信託保全にかかるコストアップに耐えられる業者の数は限られてくるだろう。FX業務収益がマイナス収益に陥っている業者の数も少なく無いと聞く。投資家は業者選びにより一層の配慮が不可欠である。




Posted by 佐藤利光

プロフィール

佐藤利光

ジェトロ認定貿易アドバイザー / 佐藤利光

日本信託銀行(現三菱信託銀行)で外国為替業務に20年間、資金運用業務に10年間従事。固定相場時代から外国為替ディーラーを勤める。変動相場制移行のきっかけとなったニクソンショックの数少ない経験者。経営者向けセミナーや社内研修などの講師経験豊富。外国為替取引会社代表取締役を経て、平成15年4月1日より国際投資アドバイザーとして独立。ジェトロ認定貿易アドバイザー。

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