外国為替取引ニュースサイト FOREX PRESS

会社概要

お問い合せ

ニュース受付

HOME > 為替コラム

先月

2008/11

123456789101112131415161718192021222324252627282930

来月

為替今昔物語

基軸通貨の行方

2008年11月11日(火)

■大荒れの外国為替相場

 米国発の金融危機の影響で、10月の外国為替相場は大荒れだった。特に10月24日の相場変動幅(高値と安値の差)は、ドル円8円、ユーロ14円、英ポンド20円、豪ドル11円と1日の変動としては、極めて大きな相場変動だった。「円キャリートレンドの巻き戻し」がその主な要因と言われている。

円キャリートレードとは、金利が安い日本円を借り、それを金利が高い通貨に交換して、債券や株式などの金融商品に運用して利益を上げる取引のことを言う。FX取引で外貨買い/円売り取引をすることも円キャリー取引である。急激な円高によりFX取引の証拠金残高は急減したと言う。

■高金利ほど変動幅が大きい

 10月中の相場変動を三菱東京UFJ銀行の公表仲値(下図参照)で比較してみた。
10月1日の相場と最安値をつけた10月28日の相場の下落幅@と下落率を見ると、最も金利差が大きい豪ドル円が30円90銭/36.4%と最も大きいことが分かる。 しかし、10月30日には上昇幅11円97銭、上昇率22.3%と最も大幅に戻している。

一方、米ドル円の下落幅は13.12円、下落率は12.3%、その後の上昇幅は5円2銭、上昇率は5.4%と、豪ドル円の変動幅および変動率と比較して極めて少ない。ユーロ円や英ポンド円の変動幅および変動率と比較しても、米ドルの変動幅および変動率は相対的に少ないことが分かる。筆者は、他の通貨と比較して米ドル円の変動率が相対的に低いのは、米ドルが「基軸通貨」であることがその原因の一つではないかと思っている

画像(568x142)

■基軸通貨

 基軸通貨とは、貿易の決済通貨として使われたり、外貨準備金として蓄えられる国際通貨の事。戦後、為替相場の安定を図り、自由な貿易の発展を促進するために開催されたブレトンウッズ会議で「米ドルが基軸通貨とする固定相場制」が採用された。
 1971年に、米ドルと金との交換性が廃止され、1973年に固定相場制から為替相場を市場実勢に任す変動相場に移行した。しかし、変動相場制に移行した後も、米ドルは貿易の決済通貨として最も多く使われ、また、外貨準備金として最も多く各国に蓄えられてきた。 最近、今回の金融危機の発生源である米国の通貨、米ドルはもはや基軸通貨としての役割を果たせないのではないかとの話も聞く。

■米ドルは基軸通貨の役割を継続?

 では、米ドルに代わる基軸通貨はどの通貨であろうか? 外貨準備金が1兆ドルの日本の通貨だろうか?それとも、1兆6千億ドルの外貨準備金を所有する中国の通貨だろうか?それとも「ECの統一通貨であるユーロ」だろうか?いずれも「NO」であろう。それでは、何らかの統一通貨が新たに創設されるのであろうか?これも疑問である。

米ドルが基軸通貨としての役割を放棄した場合、米ドルは全通貨に対して暴落するだろう。しかし、10月下旬から急激な円高局面で、米ドルは日本円に対して安くなったが、他通貨に対しては、高くなっている。

この相場の動きは、100年に一度と言われる今回の経済不況を回復するには長期間を必要とすると思うが、各国の中央銀行の金融政策により、金融システム崩壊の危機を乗り切れば、米ドルは依然として基軸通貨としての役割を果たすことを意図しているかもしれない。




Posted by 佐藤利光

プロフィール

佐藤利光

ジェトロ認定貿易アドバイザー / 佐藤利光

日本信託銀行(現三菱信託銀行)で外国為替業務に20年間、資金運用業務に10年間従事。固定相場時代から外国為替ディーラーを勤める。変動相場制移行のきっかけとなったニクソンショックの数少ない経験者。経営者向けセミナーや社内研修などの講師経験豊富。外国為替取引会社代表取締役を経て、平成15年4月1日より国際投資アドバイザーとして独立。ジェトロ認定貿易アドバイザー。

検索

最近の記事

最近のコメント

RSS1.0 [Login] powered by a-blog

当サイトは為替証拠金取引を中心とした外国為替の取引に関するニュースのみに特化しています。乱立する為替取引・サービス情報を一同に介し、わかり易くジャンル分けすることで投資家・投機家が欲しい情報を即座に入手できるようにと思ったのが立ち上げの主旨です。またこのホームページに掲載している内容が正確であるよう最善を尽くしておりますが、内容についての一切の責任を負うものではありません。その旨ご了承願います。

FOREX PRESS

キャピタル・エフ株式会社

2002/11/15より運営開始