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為替今昔物語

100年に一度の金融危機の中でのFX取引

2008年10月06日(月)

■米国金融救済法案成立

 マスコミ報道によると、10月3日、米議会下院で、最大7千億ドル(約75兆円)の「金融救済法案」を可決し、ブッシュ大統領が署名して、法案が成立した。
75兆円は、2008年度の日本の国家予算(一般会計)83兆円の9割に相当する。世界的な金融恐慌を回避する目的であるが、それにしても巨大な金額だ。この巨額の金融政策成立させた米国政府の実行力は、対岸の火事と静観を続ける我が政府の実行力と大きな違いだ。

■国際資金決済システム崩壊の危機

 10月2日付け日本経済新聞では、「世界の主要な銀行が参加するユーロ市場で、銀行間取引金利が急上昇しドル資金の取引がほとんど成立しない状態になっている」と報じている。ユーロ市場では、3ヶ月物ライボ(LIBOR・・London InterBank Offered Rate)が2.8%から4.1%と半月間で1.3%も上昇している。短期間の金利上昇は、外貨調達コストが増額し、金融機関に期間収益にマイナスの影響を与える。
 資金調達コスト増額よりも深刻な事態は、銀行が他行の信用状態を懸念してドル資金を預けなくなっていることだ。市場で不足資金を調達できない銀行が出てくると、1日3兆ドルと言われる外国為替取引決済および外国為替取引量をはるかに越える外貨資金取引決済が毎日間違いなく遂行している国際資金決済システムが崩壊する恐れがある。。
 国際資金決済システムの崩壊を回避するためには、各国中央銀行が市場で資金を調達できない銀行に対して資金供給を行う必要がある。日米欧の各国中央銀行では、総額約6,200億ドル(約65兆円)のドル資金を協調して供給することを発表している。

■大きい金融機関の経営者の責任

 このような事態を引き起こした責任は、金融機関の経営者にある。期間収益を重視し、儲けるだけ儲けた。そして、儲けに応じて巨額の成功報酬を手にしている。そして、経営破たんが表面化すると、国際金融システム崩壊回避のため、政府が税金を使い、金融機関救済策を講じてくれる。一方、個人投資家は、金融機関の経営者が引き起こした金融市場の下落による損失責任を全て自分で取らなければならない。なんとも矛盾した話であるが、これが市場のディレギュレーション(規制緩和)と市場のグローバリゼーション(地球規模化)を推進した現実の姿である。
金融機関の経営者は、大いに反省し責任を取る必要があろう。

■最近のドル円相場

 昨年7月に1ドル123円であったドル円相場は、サブプライムローン問題の表面化でドル安となり、今年3月、ベアー・スタンズの経営破たんの突然なニュースで、ドルは95円台まで下落した。しかし、3月31日には100円台を回復し、以降この原稿を書いている今日(10月5日まで)ドルは100円から110円の間のレンジ相場を推移している。しかし、1日で3円以上も動く日が多いボラティリティ(相場変動率)が高い相場展開である。
 最近、現役の銀行員と話したが、彼は「リーマン、AIG、ワコビアなど巨大な損失を発表したが、当日はドル安になっても、直ぐに相場が戻る。何故ドルが100円を割らないか不思議だ」と言っていた。短期売買をするプロのディーラーには、最近のドル相場は読みにくく、苦戦が続く相場展開に違い無い。

■ドル円相場の見方

 一方、この相場でしっかりと利益をだしている個人投資家がいる。彼は、「今年1月111円台から3月の95円台にドルが下落したときに出した大きな損失は、6月には全額取り返し、7月からは毎月確実に収益を上げている」と言う。
 彼は、「日本の将来に不安を抱いている若者が年々多くなっている国の通貨は強くなるだろうか?」と言う観点で、ドル円相場を見ている。ドルが貿易取引の決済通貨としての役割を果たしている機軸通貨であることも考慮していると言う。
 最近のドル円相場を見通すには、ビッグニュースなどで大きく動く目先の相場推移に惑わされることなく、通貨の価値は、その国の経済成長力および政治力により決まると言うことも考えに入れることが必要だ。




Posted by 佐藤利光

プロフィール

佐藤利光

ジェトロ認定貿易アドバイザー / 佐藤利光

日本信託銀行(現三菱信託銀行)で外国為替業務に20年間、資金運用業務に10年間従事。固定相場時代から外国為替ディーラーを勤める。変動相場制移行のきっかけとなったニクソンショックの数少ない経験者。経営者向けセミナーや社内研修などの講師経験豊富。外国為替取引会社代表取締役を経て、平成15年4月1日より国際投資アドバイザーとして独立。ジェトロ認定貿易アドバイザー。

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