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日本弁護士連合会「分別管理に関する意見書」を読んで

2008年03月18日(火)

■金銭信託による分別管理は絶対安心か

去る2月12日、日本弁護士連合会は「外国為替証拠金取引における分別管理に関する意見書」を公表した。同意見書では、「FX業者の証拠金分別管理の方法は信託銀行等への金銭の信託に限定し、預金や貯金、カバー取引先への預託、媒介先への預託などの方法によることを禁止すべき」と提言している。
 昨年10月にエフエックス札幌が、11月にアルファエックスが相次いで経営破たんし、顧客証拠金のほとんどが返還されない事態が発生した。
 同連合会は、FX取引を金融先物取引法(のちに金融商品取引法に吸収)の規制対象とし、証拠金を分別保管すべきと規定したにもかかわらず、前記業者が分別管理をしていなかったのは、法律で定める証拠金の分別管理方法が不十分であると指摘、顧客証拠金保護の観点から、証拠金管理方法を法的により厳しく規定すべきと提言しているものと思料する。

■証拠金管理方法を規定するだけでは安心でない

 しかし、例え、同意見書が採用され、証拠金の管理方法が金銭信託に限定されても、投資家は「FX業者が破たんしても証拠金は無事戻ってくる」と安心するのは早計だ。現存する信託契約では、もしもの場合証拠金の分配率は現状よりも改善するものの、証拠金が全額戻ってくる保証は無いからである。
 「FX取引は相対取引である」と言う厳然たる事実の下では、法律でいかに厳格に証拠金保管方法を規定しても、最悪のケースが発生すると、次節で説明するが、証拠金全額が返還されることは少ないことを覚悟すべきであろう。
 従い、最も重要なことは、基本的なことであるが、投資家は取引業者を選ぶ際には、十分な検討をすることである。
 一方、FX業者は同意見書を重く受け止め、FX市場のさらなる発展のため、業界全体で顧客資産保護の具体的な方策を検討すべき時期ではないかと提案する。

■金銭信託による証拠金保管方法では何故不十分か

 証拠金信託契約書は、委託者(FX業者)と受託者(信託銀行等)の二者間契約である。(なお、信託管理人の役割を明確化するため、信託管理人を含め三者間の信託契約をしている業者もある)
 信託保全スキームにおいて、信託管理人の役割は重要である。毎日変動する全投資家の証拠金総額が、金銭信託にきちんと積み立てられているかを確認する役割を負っているのが、FX業者の従業員でから選出された信託管理人だからだ。受託者である信託銀行は、委託者であるFX業者から委託された金額を善意で管理する責任を負うが、委託金額が正確であるかどうか確認する責任はない。
 FX業者が経営不振に陥り、経営者の指示で信託金残高が不十分でも、従業員である信託管理人は、経営者にそれを指摘し是正させることを期待することはできないことは容易に想像できる。最悪の場合には、法的に信託保全すべきと規定しても、その通り実施せず、むしろ顧客証拠金を使い込むケースがありうると考えた方が無難だ。120社余りある業者の多くは、経営はたんする危険は少ないが、これからも経営破たんする業者がでる可能性は否定できない。 

■業者の自主的な信託保全

 現在、多くの業者が信託保全スキームを自主的に採用しているのは、顧客保護の政策をその会社なりに顧客資産保護の政策を取り入れているからである。
現状では、一部信託と完全信託が混在しているが、多くの業者は段階的に完全信託を目指しているのも事実である。このように自主的に顧客資産保護を商品化している業者は経営はたんのリスクは少ない。しかし、FX取引のリスクを十分理解している経営者が多くないのも事実である。為替相場が大きく変動する現在、手数料引き下げ競争の激化もあり、経営者はより一層厳しい経営姿勢が問われている。




Posted by 佐藤利光

プロフィール

佐藤利光

ジェトロ認定貿易アドバイザー / 佐藤利光

日本信託銀行(現三菱信託銀行)で外国為替業務に20年間、資金運用業務に10年間従事。固定相場時代から外国為替ディーラーを勤める。変動相場制移行のきっかけとなったニクソンショックの数少ない経験者。経営者向けセミナーや社内研修などの講師経験豊富。外国為替取引会社代表取締役を経て、平成15年4月1日より国際投資アドバイザーとして独立。ジェトロ認定貿易アドバイザー。

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