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FX取引証拠金保全の仕組み(その2)

2008年02月15日(金)

■エフエックス札幌の債権者95%の損失

 マスコミ報道によると、昨年10月破産手続きを申請したエフエックス札幌の債権者への配当率は債権額の5.22%程度になる見通しであることが1月31日の債権者集会で明らかになった。投資家は同社に預けた証拠金のほとんどが戻ってこないことになる。
 また、同社は昨年8月末には、自己資本規制比率が100%を割っているにもかかわらず、当局に虚偽の報告をしていたことも明らかになった。
その時点で正しく報告していれば、顧客の損失は軽微だったに違いない。虚偽の報告をしながら顧客資産をほとんど使い果たした経営者の責任は重い。FX業者は、金融商品取引法により証拠金分別管理を義務付けられた。しかし、経営者に悪意があれば、顧客資産は法律では守られないことの教訓となった。

■業者により違う証拠金信託契約

 現在、多くのFX業者が、経営者が顧客資産を勝手に使い込むことができない仕組みとして、信託保全スキームを導入した。
 しかし、投資家は、「信託保全スキーム導入」と言うことだけで、安心するのは危険だ。業者が破綻しても証拠金全額を受け取ることができないかもしれない。何故なら、証拠金信託契約には業者により個別性が強く色々な信託契約が現存し、契約内容の違いにより証拠金の保全範囲が異なるからだ。

■証拠金保全範囲確認のチェックポイント

 残念ながら、全てのFX業者が証拠金信託契約の内容を公開しているわけでは無いので、個人投資家は、証拠金の保全範囲を知ることは難しい。直接業者に問い合わせて確認する必要があろう。その時のチェックポイントは下記の通り。

1.週次信託か日次信託か

 証拠金金額はその残高が刻一刻と変っているので、信託残高を修正する時期が短ければ短いほど、顧客資産の安全性が高い。経営状態が思わしくなくなったときに、顧客資産が経営者の意思のままになるリスクが小さいからだ。信託残高を修正する時期が週次か日次の違いである。
 

2.完全信託か一部信託か

 完全信託とは顧客証拠金全額を信託保全するスキームであり、一部信託はカウンターパーティに担保金として差し入れた後の証拠金残高を信託保全するスキームである。業者が倒産した場合、完全信託の方が投資家には安全だ。
 

3.ネット金額か証拠金金額か

 完全信託でも、@信託金額が証拠金金額そのものか、A証拠金額に「保有ポジションの含み損益+スワップ収益-取引手数料」を加減したネット証拠金額かの違いがある。長期保有目的の投資家にはスワップ収益や保有ポジションの含み益が大きな金額になるので、ネット金額が信託保全されるスキームの方が安心だ。


4.その他

 信託銀行に信託保全に必要な金額を正しく報告しているかどうかを管理している役割を担っているのが、社内から選任された管財人である。
管財人が報告された金額が顧客の証拠金残高の合計に一致しているかどうかを確認し、かつその書類を保管しているかどうかもチェックポイントである。
 さらに、信託銀行が定期的に顧客毎の証拠金明細書を徴収し、業者から報告された金額が顧客合計金額に一致しているか確認する契約であれば、顧客資産の安全度は大きい。現在、顧客明細を月次で徴収する信託契約があると聞いている。信託銀行が週次あるいは日次で確認する信託スキームであれば、経営者が証拠金を流用する可能性は極めて小さくなろう。しかし、コスト負担が大きくなると言う問題がまだ解決されていない。




Posted by 佐藤利光

プロフィール

佐藤利光

ジェトロ認定貿易アドバイザー / 佐藤利光

日本信託銀行(現三菱信託銀行)で外国為替業務に20年間、資金運用業務に10年間従事。固定相場時代から外国為替ディーラーを勤める。変動相場制移行のきっかけとなったニクソンショックの数少ない経験者。経営者向けセミナーや社内研修などの講師経験豊富。外国為替取引会社代表取締役を経て、平成15年4月1日より国際投資アドバイザーとして独立。ジェトロ認定貿易アドバイザー。

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