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2007年FX市場のさらなる発展のための課題(その2)

2007年02月15日(木)

■残念な行政処分

 去る2月8日、関東財務局がフィリップファイナンシャルス株式会社に対する行政処分を発表した。同社は、シンガポールの総合金融グループであるフィリップキャピタルグループの日本子会社である。同グループは、英国、フランス、香港などに海外10カ国に2500人の従業員と総資産約3億ドルを擁すシンガポールの大手金融グループである。「フィリップ」と言うブランドがありながら、今回のような行政処分を受けたことは、FX業界に対する投資家の信頼を失うことになる。多くの投資家は勉強熱心で、他の投資商品と比較して、FX取引が優れている金融商品であることを認識しているだけに、FX業者が行政処分を受けることになる事態は、FX市場のさらなる発展」に大きな障害となる。大変残念な事である。本件は、FX市場のさらなる発展のための大きな課題を露呈した。

■行政処分に至る経緯

 同社のホームページによると行政処分に至る経緯は下記の通りである。
平成18年3月、同社は業務拡大及びカスタマーサービスの充実のため、契約外務員制度を導入。同制度に基づき採用した契約外務員の1人が顧客に対して損失を発生させたと言うもの。関東財務局によると、「外務員による金融取引に係る事故等(顧客の同意を得ずに取引を行うこと、損失補てんの申し込み等)が確認された」と公表している。同社は、内部管理体制が不十分であったために、当該事態の発生を未然に防ぐことができなかったとその理由を述べている。
過去、外務員が顧客の同意を得ないで取引を行い社会的な問題となったことが多くあった。法規制が実施され、当局に業者登録を完了した業者は、決して起こしてはいけない問題である。

■経営者の認識の甘さ

 筆者は、平成18年3月に業務拡大の契約外務員制度を導入したことに対して経営者のFX業務に対する認識の甘さを感じざるを得ない。同制度を導入して業務拡大が図れるほどFX業務の経営は甘くはない。手数料引き下げによる業者間の生き残り競争もますます激しくなってきている。
外務員制度そのものには反対はしない。FX業務に精通した外務員を揃えれば、顧客の信頼は得られ、業務拡大は可能であろう。しかし、FX業務に精通した者の数は極めて少ない。筆者が言う「FX業務に精通した者」とは、インターバンク市場で外国為替取引を経験し、外国為替業務に係る様々なリスク管理に熟知し、かつ個人投資家のニーズをしっかりと把握できる者である。このような人材は勿論いるが、人数は極めて少ない。むしろ、このような人材を適材適所で使いこなせる経営者が少ないことも事実である。

「内部管理体制が不十分であったため、当該事態の発生を未然に防ぐことができなかった」と述べている経営者が、外務員を雇用して業務拡大を図る施策を採用したことは、FX業務の経営に対して認識が甘いといわざるを得ない。問題を起こす外務員を雇用することはできても、投資家から信頼される外務員を雇用することは、極めて難しいからである。

■社員教育の必要性

 個人投資家は極めて勉強熱心である。「ニクソンショックやプラザ合意で急激な変動があった場合、ストップロス注文などは効果があったのでしょうか?」という質問を受けたことがある。この問題に答えられる者はおそらく殆どいない。何故なら、ニクソンショックは固定相場時代のことで、当時外国為替市場で業務をしていた者は殆どいないからである。
個人投資家は、専門家であれば、どんな質問でも答えてくれることを期待している。そんな投資家から信頼される業者になるためには、経営者および従業員は投資家以上に勉強しなければならない。FX市場のさらなる発展のためには、社員教育は是非とも必要な施策である。




Posted by 佐藤利光

プロフィール

佐藤利光

ジェトロ認定貿易アドバイザー / 佐藤利光

日本信託銀行(現三菱信託銀行)で外国為替業務に20年間、資金運用業務に10年間従事。固定相場時代から外国為替ディーラーを勤める。変動相場制移行のきっかけとなったニクソンショックの数少ない経験者。経営者向けセミナーや社内研修などの講師経験豊富。外国為替取引会社代表取締役を経て、平成15年4月1日より国際投資アドバイザーとして独立。ジェトロ認定貿易アドバイザー。

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