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実業が虚業で虚業が実業

2006年01月04日(水)

■ジェイコム株誤発注

 マスコミ報道によると、みずほ証券のジェイコム株の誤発注問題で、20歳代の個人投資家が同社株式を大量に購入し、20億円強の利益を得たと言う。「誤発注に乗じての収益取得はいかがなものか」との意見もあるが、この収益を得るためのストップ安の572千円で買ったとしても40億円強のお金を使ったのであるから立派と言うしかない。もし彼と全く同じ条件(手元に40億円強の資金があるという条件)で、同社株がストップ安まで急に下がった時に思い切って40億円分の株式を買うことができる人は何人いるだろうか?多分、彼以外には誰一人いないに違いない。後になって絶好のチャンスを逃したことを知り残念に思う人が殆どであろう。それ程彼には他人とは違う持って生まれた投資に対する才能があるのだと思う。勿論、投資に対する勉強も人並み以上にしている事は否定できない。

相場が下がればもっと下がるかもしれないと不安になり、相場が上がるともっと上げるだろうと期待するのが一般的である。そのことがタイミング良く売買する判断を狂わし、思うように儲からないのが相場の世界である。決して、「彼を見習って大勝負」などと決して思わないほうが無難である。

■職業は個人投資家

 マスコミは彼の事を「無職の個人投資家」と紹介していた。個人投資家はまだ職業として一般的に認知されていないのだ。欧米では個人投資家は立派な職業として尊敬されている。今は空前の投資ブームで、個人投資家として生計を立てている人もかなりいるという。筆者は「個人投資家」が職業として認知されてしかるべきと考えるがいかがであろうか。今まで、個人投資家が職業として認められていないのは、投資は実業でないからである。

一般的に「実業」とは製品の製造や販売をする確実な業務を言い、「虚業」とは投機など確実でない業務を言う。個人投資家は虚業家ということで職業として認められないのだ。しかし、今や実業と虚業の定義を変える必要がありそうだ。

■実業が虚業で虚業が実業

 最近ある投資家と1年半振りに会った。彼は「実業」と「虚業」について面白い話をしてくれた。彼は、自身で興した会社を数年前に引退し、いままで未知であった投資の世界に興味を持ち徹底的に勉強と投資実践をしている個人投資家である。彼のトレーディングルームにはパソコンが8台あり、それを同時に立ち上げて投資実践をしている。機関投資家顔負けの情報装備だ。

彼は会うなり開口一番「投資を勉強してから始めて気がついたが、今は虚業が実業で実業が虚業だ」一瞬何を意味するか分からなかったが、彼の説明でなるほどと思った。彼は学校を卒業してから40年以上実業の世界にいた。商品を売り相手に引渡しをしても現金を受取ることはほとんど無い。代金決済は手形決済がほとんどであった。例えば月末締めで翌月に3ヵ月後に満期がくる約束手形を受け取る。商品を渡してから現金を受取るのは4ヶ月後になる。しかも、受取手形が不渡りになるとお金が一銭も入らない。手形が不渡りとなったことは何度も経験しているという。満期に手形が決済されるかどうか心配が多かったという。「商品を渡しても手形が不渡りになる。これは実業でなく虚業ではないか」というのが彼の経験から得た実感。一方、投資の世界では決済が確実に行われる。例えば、株式投資では株式とお金が3営業日後に同時に交換される。外国為替取引では、2営業日後に通貨の交換が同時に行われる。「決済が確実に行われるのでこれは実業である」というのが彼の実感。

■実業と虚業の見極めが肝心

 従って、毎日のように報道されている耐震強度計算偽造は虚業ということになる。偽造していることを知っていながら構造計算書を作成したからである。牛肉などの原産地不正表示問題も時々ニュースで取り上げられる。これも虚業である。
当然の事ながら、投資の世界にも虚業がある。当局から行政処分を受けた外為証拠金業者数は12月27日現在54社になった。その全ての業者が顧客の預かり金について自己財産と区別をしておらず債務超過状態になっている。これは間違いなく虚業である。今の時代は実業と虚業の区別を確実な業務であるか否かでなく、偽りがある業務か無い業務かの見極めが肝心である。




Posted by 佐藤利光

プロフィール

佐藤利光

ジェトロ認定貿易アドバイザー / 佐藤利光

日本信託銀行(現三菱信託銀行)で外国為替業務に20年間、資金運用業務に10年間従事。固定相場時代から外国為替ディーラーを勤める。変動相場制移行のきっかけとなったニクソンショックの数少ない経験者。経営者向けセミナーや社内研修などの講師経験豊富。外国為替取引会社代表取締役を経て、平成15年4月1日より国際投資アドバイザーとして独立。ジェトロ認定貿易アドバイザー。

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