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ヘッジファンド(その1)

2004年06月30日(水)

■ヘッジファンド

 5月のゴールデンウィーク中にアメリカ、カナダの数社のヘッジファンドマネージャーを訪問してきた。数回にわたり海外出張で得てきたホットな情報を交えながらヘッジファンドについて考えていきたい。

そもそもヘッジファンドとは株式市場や債券市場などの相場動向に影響されないで、絶対的な収益を求めて投資するファンドである。その投資戦略は、大きく二つに分けられる。その一つは、マージャーアービトラージのように、ストラトジーそのものに収益性があるヘッジファンドで、他の一つは、株式ロング・ショートやマクロのように投資戦略そのものには収益性がなく、運用者の投資スキルに収益が依存しているヘッジファンドである。

■マージャーアービトラージ

 マージャーアービトラージとは、M&A(企業合併や企業買収)が上手くいくかどうかのリスクをとることによって収益を稼ぐ投資戦略である。M&Aが上手くいけば収益を稼ぐことが出来、失敗すると損をする。逆にM&Aが失敗すると儲かり、上手くいくと損をするという投資戦略もある。この投資戦略は、M&Aが豊富にあると収益を挙げるチャンスが大きくなるが、M&Aが少なければ、ほとんど収益を稼ぐ事ができないという欠点がある。従って、短期的には大きな収益を挙げる事ができるが、長期間安定的な収益を挙げる事が難しい戦略である。

■株式ロング・ショートストラトジー

 株式ロング・ショートとは、株式市場で割安株を買い(ロング)、割高株を売り(ショート)、割安割高が修正された時に反対取引をして収益を稼ぐ投資戦略である。株式ロング・ショートの場合は、ストラトジーそのものには収益性は無いが、株式市場には、常時、割安株と割高株が存在し、運用者のスキル次第で、常に収益を稼ぐチャンスがある。そのため株式ロング・ショート戦略は、浮き沈みが少なく安定的な収益を上げることができる投資戦略として支持されている。しかし、月次単位の収益で見た場合、株式ロング・ショートはマージャーアービトラージに劣ることがある。さらに短期的には、割安株がさらに割安になり、割高株がさらに割高になることもある。優れた株式ロングショート・マネージャー達は1ヵ月、2ヶ月単位では収益がでなくても、1年単位でみると、株式市場が上昇しても下降しても確実にプラスの収益を稼いでいる。

■ヘッジファンド投資の注意点

 ヘッジファンド投資は「ファンドの運用者である人物への投資である」と言っても過言ではない。運用者が人間として信頼できるかどうかを見極めてから投資をすることが必要である。何故なら、運用者は運用に失敗し損失がでた場合虚偽の運用実績の報告をするケースがあるからである。2000年1月に破綻した株式ロング・ショート戦略のファンド「マンハッタン」がその例である。テクノロジー株の空売りに伴う巨額の損失から、虚偽の運用成績の報告を開始したと言われる。また、2003年8月に破綻した株式ロング・ショート(小型株)戦略のファンド「ランサー」は、2000年以降の株式市場の下落により、損失を被った。そのため、流動性の低い保有銘柄に毎月末買いを入れ、株価を吊り上げ、月末現在のポートフォリアの時価換算額を操作していた。

このようにヘッジファンドであれば何でも投資対象となるわけでなく、十分な調査が必要となる。特に投資したあとで、運用者が運用手法を変更する(スタイル・ドリフト)場合は、後で大きな損失となることが多いので、直ぐに解約する必要がある。

■ファンドオブヘッジファンズ

 ファンド購入後もリスク管理(ヘッジファンドマネージャー管理)を徹底しなければならない。個人投資家にはこのリスク管理は困難である。このリスク管理を業としてやっている者に業務委託することが賢明であろう。ファンドオブヘッジファンズ・マネージャー(FOF)である。彼らは投資資産の最適化配分を計算し、複数のヘッジファンド(15から50ファンド)に投資して、リスク管理を徹底し、適切な収益を得ている。
 
先日訪問したあるFOFマネージャーはこう言っていた。「投資したヘッジファンドマネージャーのリスク管理は徹底してやる。マネージャーは一旦運用が上手くいかなくなると正直に言わない場合が多い。月次報告で疑問点があれば直ぐにマネージャーを訪問して、確認する。その際にマネージャーが嘘をついていれば殆どわかる。それほどの専門家を雇用している。リスク管理はコストをかけてでも徹底的にやる。それが当社のノウハウである。」同社のFOFは管理料(1.5%)控除後のネットのパフォーマンスで、毎年7%〜10%の安定的な収益を稼いでいる。単体のヘッジファンド(シングルマネージャー)に投資すると、破綻した場合その影響は極めて大きい。FOFであれば、FOFマネージャーが破綻前にそのファンドを解約しているケースが多い。万が一ある特定のファンドが破綻しても、殆どのFOFは個別のファンドに投資する投資限度額を定めているので、損失額は限定的になる。
 
ヘッジファンド投資をお考えであれば、単体のファンド(シングルマネージャー)でなく、FOF(ファンドオブヘッジファンズ)をお勧めする。優秀なFOFマネージャであれば、多くの収益を望む事は出来ないが、安定的で確実な収益(10%程度)が期待できる。また、マイナスとなるリスクは極めて少ないと考える。次号ではNYで見てきた外国為替のFOFについて書く。




Posted by 佐藤利光

プロフィール

佐藤利光

ジェトロ認定貿易アドバイザー / 佐藤利光

日本信託銀行(現三菱信託銀行)で外国為替業務に20年間、資金運用業務に10年間従事。固定相場時代から外国為替ディーラーを勤める。変動相場制移行のきっかけとなったニクソンショックの数少ない経験者。経営者向けセミナーや社内研修などの講師経験豊富。外国為替取引会社代表取締役を経て、平成15年4月1日より国際投資アドバイザーとして独立。ジェトロ認定貿易アドバイザー。

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