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為替今昔物語

業界の問題点と対処法(その5)

2004年03月20日(土)

■金融商品販売法の対象

 「金融商品の販売等に関する法律」の施行令が改正となり、来る4月1日から法律により許認可が必要である業者以外の業者(いわゆる独立系の為替取引行業者)が外国為替証拠金取引を取扱う場合も、金融商品販売法の対象となる。

いままで、全ての外国為替取引業者に対する法的な義務はなかったが、これからはリスク等の重要事項については業者が説明責任を負う。説明がなかったり、不十分であったために投資家が被った損失に対しては、業者がその損害賠償責任を負うもの。また、業者は金融商品を販売することに対して、その勧誘方法を公表することも義務付けられた。

■金融商品販売法制定の背景

 1998年から本格化した金融自由化の進展により、多種多様な金融商品が誕生した。投資家にとっても選択の範囲が広がり、人生設計に応じた投資をすることが可能となった。しかし、殆どの金融商品は、銀行預金とは違い元本保証は無い。1「有利だからと勧められて株式投資信託を購入したら、元本が半分になってしまった」、「高金利だからと勧められたので外貨預金をしたら、満期日に円高になり円の払込元本を割り込んでしまった。」「高金利の債券を購入したら満期日に他社の株券に変換されて戻ってきた(EB債)」など投資家にリスクの十分な説明がないまま販売したため、トラブルが多発した。

■業者の勧誘方針の公表

 このようなトラブルから投資家を保護するために、2001年4月に「金融商品販売法」が施行された。この法律により、業者はリスクなどの重要事項の説明義務が課せられた。また、金融商品販売に関して勧誘方針を策定して公表することも義務付けられた。方針の中には次のことが盛り込まれる。(1)金融取引の経験が少ない人やリスクに対する知識や判断能力が乏しい人に対して高リスクの商品を勧めない。(2)しつこい勧誘や夜の遅い時間帯に自宅を訪問して勧誘することをしない。今後、業者から上記のような勧誘を受けていたら、「違法行為」と言って毅然として断れば良い。

■重要事項の説明

 業者に説明義務があるリスク等の重要事項とは(1)市場リスク(市場相場変動による元本割れのリスク)(2)信用リスク(為替取引の場合は取扱業者が倒産すると証拠金の返還が不能となる場合がある。また、業者が為替取引をしているカウンターパーティが倒産することにより派生的に業者も倒産するケースもある)(3)解約期間の制限、権利行使期間(為替取引の場合は、証拠金の返還について、顧客から要求があった日から一定日数が必要であればその旨を説明しなければならない。)業者が金融商品に関する重要事項の説明を怠ったために元本割れの損害が生じたら、業者に損害賠償の請求ができる。

■消費者契約法

 金融商品販売法と同時に「消費者契約法」が制定され、同じく2001年4月から施行された。消費者契約法では不当な勧誘等によって契約して取引を行った結果、予想もしなかった損害が生じた場合は、契約の取り消しができる。

例えば(1)「外貨預金と同じで元本保証ですから,元本割れの心配は無い」と言われて取引したところ、外貨での元本割れはないものの、円高になったため、円貨での元本割れが生じた。(2)「将来、必ず円安になるから、外貨を買っておけば絶対に儲かる」といわれて取引したところ、円高になり大損をした。(3)担当者が自宅まで来てしつこく勧誘し、断っても中々帰らないので、仕方なく取引した・・などというようなことがあれば、消費者契約法により契約を取り消すことが出来る。即ち最初から取引が無かったことになるので、損失を被らなくても良い。泣き寝入りすることは無い。覚えて置くと良い。

■営業停止

 しかし、金融商品販売法の対象になるので、「業者がキチンとリスク説明をし、不当な勧誘はなくなる」と期待してはいけない。

去る3月13日付けの日本経済新聞に「泉証券」の営業停止に関する記事が載っていた。証券知識が乏しく投資経験も浅い高齢者などにいわゆるディリバティブといわれる株価指数取引オプションを勧めて取引をさせ損失を発生させたことがその理由。経営方針でオプション取引の推進を決めた為、高度な金融知識を必要とする「オプション取引」を経験の浅い投資家に勧めて損害を与えたもの。泉証券といえば住友グループの証券会社だ。来る4月1日には三井住友銀行グループのSMBCフレンド証券と合併をする。証券取引法という業法に基づいて許認可を取得した住友グループの証券会社といえども「自社の利益を優先する余り、投資初心者に対しても不適当な勧誘い投資家の保護に全く留意していない」という証左である。それも経営方針で決定し全社的に勧誘をしたことに対する経営者の責任は重大だ。筆者は、「最近の企業が社内で利益至上主義がまかりとおる余り企業の社会的存在意義を忘れてしまっているのではないか」と危惧している。経営者は社会的に存在意義がない会社は決して生き残れないことを肝に銘じるべきである。

■外国為替証拠金業界の現状

 当業界には、新しく誕生した外国為替証拠金取引市場を健全に発展するために真剣に頑張っている経営者も多い。残念ながら、そうでない業者の数はもっと多いのが現状。取引業者を選ぶ際には、単に証券会社だから、商品取引員だからということだけでなく、経営者が「自社の利益優先」でなく、「真剣に投資家が必要としている情報を提供したり、投資家育成に努力したりして、投資家とともに外国為替証拠金市場の健全なる発展に寄与しているかどうか」を見極める必要がある。




Posted by 佐藤利光

プロフィール

佐藤利光

ジェトロ認定貿易アドバイザー / 佐藤利光

日本信託銀行(現三菱信託銀行)で外国為替業務に20年間、資金運用業務に10年間従事。固定相場時代から外国為替ディーラーを勤める。変動相場制移行のきっかけとなったニクソンショックの数少ない経験者。経営者向けセミナーや社内研修などの講師経験豊富。外国為替取引会社代表取締役を経て、平成15年4月1日より国際投資アドバイザーとして独立。ジェトロ認定貿易アドバイザー。

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