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為替今昔物語

業界の問題点と対処法(その4)

2004年03月06日(土)

■強引な営業

 去る2月14日にNHKの「くらしと経済」という番組で外国為替証拠金取引にかかるトラブルを採り上げ、新しい投資商品についての注意を喚起していた。この番組を見て多くの方が、このような悪辣な業者の犠牲にならないように気をつけようと思ったに違いない。それにも関わらず、依然として相談の電話が後を絶たない。数日前にも電話があった。「最初の商品説明では1ロット(1万ドルあるいは1万ユーロなど1万通貨)あたり数万円で取引ができる」筈であったが、始めて実際に取引した金額は何故か100万ドルだったという。必然的に預けた証拠金が数百万円。営業マンと話しているうちにその気になり100万ドルで取引したという。この点においては相談者は「自己責任の範囲」と理解している。

■収入減、支出増、ゼロ金利の3点セット

 ある時突然電話が鳴り、「高金利の外貨投資というセールストーク」についその気になり、その仕組みを理解しないまま取引を始める人が多い。その背景には現在の社会・経済状況がある。
 
リストラ、ボーナスカットなどによる「収入減」。子供の受験、親の介護など「支出の増加」。実質「ゼロ金利」時代の長期化。収入源、支出増、ゼロ金利の3点セットにより、預貯金は減少一方。「このまま何もしないでいるわけにはいかない」と思っている人が多い。そこで、電話が鳴り、「高金利の資産運用についてのお知らせ」に、半信半疑ながらも思わず聞いてしまう。そんな社会的な状況が強く影響している。相談者も「欲との道連れでつい耳を傾けてしまった」と言っている。本来なら、このような状況の時程、第三者である他人の言う事を信じてはいけない。なぜならば「上手い話には棘がある」からである。

相談者が言う。・・・・最初の内は面白いように儲かる。欲もあり営業マンの言うままに取引通貨を増やす度に証拠金送金して、気が付いたら送金額が数千万円になっていた。そして、ある時相場がポジションと逆の方向に行きマイナスとなる。そして両建て。この時始めて気が付き、やめようと思い電話しても担当者と連絡がつかなくなる・・・・・。まさに昨年10月31日号で書いた「業界関係者からのメール」に書いたとおりである。

■ある業界関係者からのメール

10月31日号の記事をお読みになってない方の為に主要な部分を再掲する。

筆者の連載記事をみてある業界関係者からメールを頂いた。彼はメールでこう言っている。

彼女が取引を行なっている会社は、恐らく顧客に:

(1)証拠金の全額で投資する事を勧めます。
(2)追加証拠金が必要になる寸前に両建てを勧めて、追加証拠金を回避することを勧めます。
(3)ひとまず危機を回避させましたが、両建ての処分に時間がかかるので、他通貨へも投資することを勧めます。

この戦法に陥った顧客は、そうとは気がつかないうちに、業者の意のままになりますよ。商品先物取引でしたら、日本商品先物振興協会に相談できますので、過当勧誘で逃げられる可能性もありますが、為替証拠金取引では、その様に相談する協会もありませんから、顧客の中には貴殿が相談に乗った女性と同様の状態に陥っている人が大勢いると思います。

貴殿も指摘されているように、初心者にとって10万単位の取引ではリスクが大きすぎます。ストップロスを設定したとしても売買回数を増やせば、手数料と損金で証拠金はたちまちのうちに無くなってしまいます。彼女がやるなら1万単位の取引が最適ですね・・・・。

■投資は自己判断で

 筆者は相談者にアドバイスした。「まず最初に自覚していただきたいことは、投資で必ず儲かることは絶対に無いこと。最初の投資で100万通貨は余りにも危険が大きすぎる。最初は儲かってもたった一回の失敗で生活が破綻する恐れがある。」それを聞いて相談者は、「やはりそうですか??最初簡単に儲かったので、損する事は余り考えずに、欲もあり大きな金額を送金してしまった。投資したお金が戻ってこなければ生活が破綻してしまう。」と答えた。筆者との相談内容を踏まえうまく善処するとのこと。良い結果を期待している。

■投資は金融商品だけでなく自己への投資も

 そもそも、投資結果の損得は全て自己責任。取引会社には関係ない。従って、取引を始めるのも止めるのも投資家の意思次第。売買も自己判断が原則。担当者と話し、その気になって、新たに取引をしたり、決済をしようと思ったがそのままにしてしまったということが後で後悔するケースが多い。そのためには理論武装が必要だ。「投資について」そして「投資心理について」勉強しなければならない。投資で簡単にお金儲けができるとしたら、真面目に働く者はいなくなる。
 

余談であるが、筆者がサラリーマンを辞めた時の我が家の3点セットは、(娘の)就職難、(義母の)在宅介護、(筆者の)リストラと21世紀の社会現象そのものであった。それから4年経過した現在、義母は彼女の夫、娘、孫娘達から十分な介護を受けてその生命を全うし、娘は義母を在宅介護した経験から超高齢化時代を迎えた現在、お年寄りのお世話をすることが社会的に求められていることと実感し、特別養護老人ホームに職を得た。筆者はセミナーや社内研修講師、著書出版(4月に3冊目を出版予定)、投資雑誌や各種新聞紙への執筆活動などで毎日忙しく過ごしている。60歳の定年を迎える前に退職を余儀なくされるケースが多い昨今の状況を考えると、大切なお金を金融商品に投資することだけでなく、自分に投資して生活の糧を得る手段を確立することも大切であると考えるが、いかがであろうか?




Posted by 佐藤利光

プロフィール

佐藤利光

ジェトロ認定貿易アドバイザー / 佐藤利光

日本信託銀行(現三菱信託銀行)で外国為替業務に20年間、資金運用業務に10年間従事。固定相場時代から外国為替ディーラーを勤める。変動相場制移行のきっかけとなったニクソンショックの数少ない経験者。経営者向けセミナーや社内研修などの講師経験豊富。外国為替取引会社代表取締役を経て、平成15年4月1日より国際投資アドバイザーとして独立。ジェトロ認定貿易アドバイザー。

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